今回も,「6つのルールと18の書き方」の具体的な使い方の一例の解説です。
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■ルール3(分けて書く)・「書き方6:かたまりに分けて書く」
書き方6とは,かたまりに分けて内容を書くことです。
「『君の書いた技術文書はわかりやすい』と言われる技術文書の書き方(その4)」で使った事例を再度使って解説します。
【車の主な種類】
ハイブリッドとは,ガソリンで動くエンジンと,電気で動くモーターを搭載している車のことです。モーターがエンジンをサポートして走るため燃費がよく,ガソリン仕様車と比べて排出するCO2が軽減されるため,環境への影響が小さいのがこの車の特長です。コンパクトとは,ボディサイズが小さめで,排気量が小さなエンジンを積んだ車のことです。セダンやミニバンと比べてボディサイズが小さめなので取り回しがよく,狭い路地や駐車場でも気を使うことなく運転できることがこの車の特長です。セダンとは,エンジンルーム,乗車空間,荷物空間が別々になっている形をしていて,車の基本とも呼ばれるタイプの車のことです。乗車空間が荷物空間から独立していることから,乗る人の快適性を重視した居住空間が確保され,移動するのに適しているのがこの車の特長です。
このように文の羅列で書くと内容が明確に伝わりません。
以下が,書き方6(かたまりに分けて書く)を使って書いた場合です。
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【車の主な種類】
■ハイブリッドカー
定義:ガソリンで動くエンジンと,電気で動くモーターを搭載している車のこと
特長:モーターがエンジンをサポートして走るため燃費がよく,ガソリン仕様車と比べて排出するCO2が軽減されるため,環境への影響が小さい。
■コンパクトカー
定義:ボディサイズが小さめで,排気量が小さなエンジンを積んだ車のこと
特長:セダンやミニバンと比べてボディサイズが小さめなので取り回しがよく,狭い路地や駐車場でも気を使うことなく運転できる。
■セダンカー
定義:エンジンルーム,乗車空間,荷物空間が別々になっている形をしていて,車の基本とも呼ばれるタイプの車のこと特長:乗車空間が荷物空間から独立していることから,乗る人の快適性を重視した居住空間が確保され,移動するのに適している。
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書き方6を使ってかたまりに分けて書くとき「書き方10:強調して書く」も使いました。
①「タイトル(【車の主な種類】)」および「かたまりの見出し(ハイブリッドカー,コンパクトカー,セダンカー)」の文字を強調する。また,かたまりの見出しに「記号:■」を付けて見出しを強調する。
②車の定義と特長にアンダーラインを付けて強調する。
このように,書き方6を使って,文の羅列で書いた内容をかたまりに分けて書くと内容が明確に伝わります。
次回に続きます。
【参考図書】
森谷仁著,「マンガでわかる技術文書の書き方」,オーム社,令和4年3月25日