■「6つのルールと18の書き方」の特徴
「『君の書いた技術文書はわかりやすい』と言われる技術文書の書き方(その10)」から「同 (その27)」で「6つのルールと18の書き方」の使い方について解説しました。
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「6つのルールと18の書き方」の特徴の一つが,「書き方を組み合わせて使うことで内容が一層明確に伝わる」ということです。
■書き方を組み合わせて使った例
Ⅰ:組み合わせの例1
「『君の書いた技術文書はわかりやすい』と言われる技術文書の書き方(その14)」と「同 (その15)」で,文の羅列で書いた内容を以下の3パターンで書きました。
①パターンⅠ:「書き方6:かたまりに分けて書く」+「書き方10:強調して書く」
②パターンⅡ:「書き方8:表で書く」+「書き方10:強調して書く」
③パターンⅢ:「書き方8:表で書く」+「書き方9:写真や図を入れて書く」+「書き方10:強調して書く」
パターンⅠからパターンⅢでは各書き方を組み合わせて書きました。各書き方を単独で使うより組み合わせて使うことで内容が一層明確に伝わります。
Ⅱ.組み合わせの例2
「『君の書いた技術文書はわかりやすい』と言われる技術文書の書き方(その11)」の中の「■書き方1について技術文書で考える」で【パターンⅡ】として以下のことを書きました。
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1.〇〇交差点の改良計画の目的
〇〇交差点をスクランブル交差点に改良することが今回の〇〇交差点の改良計画の目的である。〇〇交差点では,歩行者や自転車と左折車の接触事故が毎年数件発生している。過去には歩行者の死亡事故も発生している。来年3月末には,〇〇交差点付近に大型ショッピングセンターができることから,〇〇交差点を利用する歩行者や自転車が増えると予想できる。そのため,歩行者や自転車の安全確保のため〇〇交差点を改良する。
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ここで,これを以下のように書いてみます。
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1.〇〇交差点の改良計画の目的
〇〇交差点をスクランブル交差点に改良することが今回の〇〇交差点の改良計画の目的である。〇〇交差点では,歩行者や自転車と左折車の接触事故が毎年数件発生している。過去には歩行者の死亡事故も発生している。来年3月末には,〇〇交差点付近に大型ショッピングセンターができることから,〇〇交差点を利用する歩行者や自転車が増えると予想できる。そのため,歩行者や自転車の安全確保のため〇〇交差点を改良する。
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この書き方では,「書き方1:要点を冒頭に書く」と「書き方10:強調して書く」を組み合わせて書きました。
①「1.〇〇交差点改良計画の目的」の要点を冒頭に書き要点の説明をその後に書く(書き方1)。
②「文字の大きさを変える(大きくする)」,「フォントを変える」という書き方を使って「1.〇〇交差点改良計画の目的」というタイトルを強調する(書き方10)。
③「フォントを変える」という書き方を使って「1.〇〇交差点改良計画の目的」の要点を強調する(書き方10)。
このように組み合わせて書くことで,「1.〇〇交差点改良計画の目的」の内容が一層明確に伝わります。
Ⅲ.組み合わせの例3
「『君の書いた技術文書はわかりやすい』と言われる技術文書の書き方(その19)」の中で以下のことを書きました。
「書き方2:全体像を冒頭に書く」の具体的な書き方の例は,2018年9月9日に掲載した「『全体から詳細へ』の考え方でまとめる」というテーマのブログを参考にしてください。
2018年9月9日に掲載した「『全体から詳細へ』の考え方でまとめる」というテーマのブログの中で,全体像(提案項目の一覧)を以下のような表(【提案項目一覧表】)で書きました。
これは,「書き方2:全体像を冒頭に書く」と「書き方8:表で書く」を組み合わせて書きました。このように組み合わせて書くことで提案の内容が一層明確に伝わります。
ここで解説した3つの例からわかるように,「6つのルールと18の書き方」では,各書き方を単独で使うより他の書き方と組み合わせて使うことで内容が一層明確に伝わります。
次回に続きます。
【参考文献】
森谷仁著,「マンガでわかる技術文書の書き方」,オーム社,令和4年3月25日