「“1分で理解できる解答”の書き方」のトレーニング方法として,過去問を使ってトレーニングする方法,日常業務の中で技術文書を書くときに書き方1注1)を使ってトレーニングする方法(こちら),日常業務の中で会話をするときに書き方1の考え方を使ってトレーニングする方法(こちら)を解説しました。
注1):「書き方1:要点を冒頭に書く」とは,内容に関する要点を冒頭に書き,この要点に関する説明をその後に書くことです。
これらのトレーニングを継続して行えば試験場で問題を読んだら,すぐに,「解答の要点と要点の説明を考えよう。これらを使って解答を書こう」のように頭を切り替えることができます。
ここで,「“1分で理解できる解答”の書き方」のポイントは,「解答の要点と要点の説明を考え,これらに基づき解答を書くこと」です。この中で,最も重要なことは「解答の要点を考えること」です。
「“1分で理解できる解答”の書き方」の中で以下の例を書きました。
在宅勤務の問題とは,情報漏洩の危険性が出てくることである。会社内で仕事を行う場合には,社内のセキュリティによって会社内にある情報が外部に流出する危険性は小さい。しかし,在宅勤務になると,自宅で使うパソコンのセキュリティが会社のセキュリティに比べて脆弱になる。そのため,在宅勤務によって情報が外部に流出する危険性が出てくる。
橙色で着目した箇所が解答の要点です。解答の要点が決まれば要点の説明(緑色で着色した箇所)も決まります。このように,「“1分で理解できる解答”の書き方」のスタートは解答の要点を考えることです。つまり,「“1分で理解できる解答”の書き方」のトレーニングの中で解答の要点を考えることが最も重要です。
前々回のブログで書きましたが,「内容の要点=解答の要点」です。日常業務の中で技術文書を書くときにも会話をするときにも「内容の要点は何か」と考えることが解答の要点を考えるトレーニングになります。
「“1分で理解できる解答”の書き方」の中で過去問を使って「“1分で理解できる解答”の書き方」のトレーニングができることを解説しました。このトレーニングでも,まず,解答の要点を考えてください。解答の要点を考えたらそれが合格点が取れる内容かどうかを確認してください。「“1分で理解できる解答”の書き方」の中でも解説しましたが,解答の要点を考えてもそれが不合格になる内容では要点の説明を考えても意味がないからです。
頭の中を整理することで要点(解答の要点・内容の要点)を考えることができます。「頭の中を整理する」という観点から考えると,要点を考えること(=頭の中を整理すること)は,「1分で理解できる解答」を書くときだけではなく業務の中でも重要なことです。
【参考図書】
森谷仁著,「マンガでわかる技術文書の書き方」,オーム社,令和4年3月25日