「“1分で理解できる解答”の書き方」のポイントは,「解答の要点と解答の要点の説明を考え,これらに基づき解答を書くこと」です。
「技術士二次試験対策:要点を考えることが重要」というテーマのブログの中で「解答の要点を考えることが重要」と解説しました。今回は「解答の要点」に着目した内容を解説します。
解答の要点を考えるうえで重要なことは解答の要点を簡潔に考えることです。簡潔に考えることで解答の要点が頭の中で明確になります。例えば,以下のように考えると解答の要点が頭の中で明確になります。
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DX推進の課題はDX推進に関わる人材不足である。
次に,以下のように解答の要点を考えたとします。
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労働人口が減少していること,DXに必要な人材需要の伸びに供給が追い付かないこと,非IT企業にIT人材が少なく育成も怠ってきたことを考えるとDX推進の課題はDX推進に関わる人材不足である。
このように考えると解答の要点が頭の中で不明確になります。解説の要点にいろいろな附属物が付いているからです。附属物とは要点の説明のことです。つまり,以下のようなことです。
◆解答の要点:DX推進の課題はDX推進に関わる人材不足である。
◆要点の説明:労働人口が減少していること,DXに必要な人材需要の伸びに供給が追い付かないこと,非IT企業にIT人材が少なく育成も怠ってきたこと
例えば,「〇〇なので△△がリスクである」のように考えると解答の要点が不明確になります。「〇〇なので」が解答の要点の説明,「△△がリスクである」が解答の要点だからです。
「課題は〇〇である(〇〇が課題である)」,「リスクは△△である(△△がリスク)である」のように考えると解答の要点が頭の中で明確になります。また,解答の要点を簡潔に考えると要点の説明も考えやすくなります。解答の要点の説明を考えればそれが要点の説明になるからです。
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例えば,「DX推進に関わる人材不足」に関する説明を考えればそれが要点の説明になります。
解答の要点を簡潔に考えることは,1分で理解できる解答を書くうえでの重要なポイントの一つです。
【参考図書】
森谷仁著,「マンガでわかる技術文書の書き方」,オーム社,令和4年3月25日