■筆記試験対策について
弊社では,「筆記試験の合格には『解答を書く力』を鍛えることが必要」と考えています。ここで,「解答を書く力」とは,「試験官に内容が明確に伝わる解答を書く力」と言い換えることもできます。
現状での筆記試験対策では,「解答を書くこと」に関してあまり重点が置かれていないように思います。やはり,「必須科目,専門知識,応用能力,問題解決能力及び課題遂行能力の各問題対策が重要」と多くの受験生の方が考えているからだと思います。
これは当然の考え方です。解答を書く力があっても,解答を書くための材料が合格点以下の内容であれば合格できないからです。
■インプットの受験勉強とアウトプットの受験勉強
受験勉強として,弊社では,インプットの受験勉強とアウトプットの受験勉強があると考えています。インプットの受験勉強とは,多くの受験生の方が考えている内容,つまり,必須科目および選択科目対策です。「解答として何を書くのか」に対応した受験勉強です。
アウトプットの受験勉強とは,弊社が考えている「“解答を書く力”を鍛える」という内容です。つまり,「解答をどのように書くのか」に対応した受験勉強です。
アウトプットの受験勉強が必要なのは,筆記試験は「書いたものが評価される試験」だからです。
繰り返しになりますが,弊社では,「筆記試験の合格には『解答を書く力』を鍛えることが必要」と考えています。
■内容が明確に伝わる解答が書けていない?
弊社は,社員研修やセミナーなどで技術文書の書き方(内容が明確に伝わる技術文書の書き方)を解説しています。「うちの社員の書く技術文書はわかりにくいので技術文書の書き方を解説してほしい」という依頼や「君の書く技術文書はわかりにくいので技術文書の書き方を勉強してこい」と言われて受講されているようなケースが多いです。
以前,技術士二次試験での復元答案や模擬答案を添削していたことがありました。これらを読んで「いろいろ書いているが『結局,何が言いたいのだろう?』」思う解答(論文)が意外と多かった記憶があります。
技術文書も試験での解答でも,自分では「完璧に書けた」と思っても読み手にその内容が明確に伝わっていないこともあると思います。
「自分は合格できた」と思っていても合格発表の結果を見ると「自分の受験番号が無かった」ということもこれが原因の一つなのかもしれません。
ほとんどの受験生が「受験勉強=インプットの受験勉強」と考えていると思います。そのため,筆記試験の合格には『解答を書く力』を鍛えることが必要」というのは,技術士二次試験対策の中では異端児的な考え方かもしれませんが・・・。