【技術士第二次試験・受験勉強方法の鉄則5】
◆意識を変える
◆多様な視点を構築する
本質を理解すること(パートⅢ)で書いたように,平成25年度から,「専門知識・応用能力・課題解決能力」の問題が出題されています。技術士会では,課題解決能力の問題の内容について以下のように書いています。
「選択科目」に係わる社会的な変化・技術に関係する最新の状況や「選択科目」に共通する普遍的な問題を対象とし,これに対する課題等の抽出を行わせ,多様な視点からの分析によって実現可能な解決策の提示が行えるか等を問う内容とする。
この中で,注目すべきキーワードは「多様な視点からの分析」です。実際,各部門での課題解決能力の問題を見ると,「多様」,「多面的」,「幅広い」などのキーワードが入った問題も出題されています。
ここで,「多様な視点」に対して,2つの考え方があると思います。
第一は,技術者という枠の中で考えた多様な視点です。
第二は,技術者という枠の外で考えた多様な視点です。すなわち,これは,「技術者ではない人の立場で考えた多様な視点」です。
平成27年度の「電気電子部門・電気設備・課題解決能力」では,高齢者向け住宅の計画責任者になった場合の問題が出題されました。この問題では,まず,高齢者の抱える課題を多様な視点から述べることが問われています。
これに答えるためには,高齢者の立場に立って,高齢者の抱える課題を多様な視点から述べる必要があります。つまり,「電気電子部門の技術者」という枠の外で高齢者の抱える課題を考える必要があります。
「技術者ではない人の立場で考えた多様な視点」は,一般紙を読んだり,テレビやネットでニュースを見たり,ラジオでニュースを聞いたりすることで構築できると思います。
この他,社会が直面している問題や課題,あるいは,様々な新技術の問題や課題を特集したテレビやラジオの番組を見たり聞いたりすることでも構築できると思います。
これらの番組では,社会が直面している問題や課題,例えば,地球温暖化,エネルギー,高齢者の介護,少子高齢化,自然災害などに関する問題や課題,あるいは,様々な新技術の問題や課題を様々な視点で説明したり,解説したりしてくれます。
すなわち,これらの説明や解説を参考にすれば多様な視点が構築できます。
ただし,ニュースの内容や特集の内容を漠然と読んだり,見たり,聞いたりするのではなく,「自分が受験する選択科目の参考になる内容はないか?」という意識を持つことが重要です。
また,「〇〇の問題は自分の選択科目と関係がない」,例えば,「高齢者の介護の問題は自分の選択科目と関係がない」と決めつけるのではなく,「自分の選択科目と何か関係はないか?」と掘り下げて考えることも重要です。このように考えることも,多様な視点を構築する方法の1つだと思います。
いろいろ工夫しながら,“多様な視点”を構築して下さい。