好きな言葉の1つに「視点を変える」があります。
視点を変えるとこれまでと違ったことが見えてきます。仕事に関する企画を考えるとき常に意識している言葉です。
この「視点を変える」という言葉で思い出すことがあります。
それは,小学生の時の出来事です。
小学校は地元の所沢小学校に通っていました。所沢小学校では,その当時,毎年春に,所沢市内にあったユネスコ村まで写生に出かけていました。確か,学年単位で出かけていたと思います。
ユネスコ村とは,西武鉄道が所有する遊園地です。1990年に閉園したため今はありません。園内には,世界各国の建築物のミニチュアがあり,トーテムポールがあり,オランダ風車があり,チューリップ畑があり・・・・今のテーマパークのようでした。
小学3年生の時ユネスコ村まで写生に行きました(4年生だったかもしれません)。
ユネスコ村の中で,オランダ風車やチューリップ畑は写生をするうえでの人気スポットです。園内に入ると,皆,先を争ってこれらを写生するのに良い場所を確保します。その年,オランダ風車を描こうと思っていましたが,もたもたしていたら良い場所が確保できませんでした。
そのため,「さて,どこにしようか」と写生する場所を探していましたが,そのとき,ふと,「オランダ風車を裏側から見たら風車はどのように見えるのだろうか?」と疑問に思いました。
そこで,裏側に回って見てみました。すると,オランダ風車を裏側から見るとそれが意外に面白い形に見え,自分が想像していたのとは違う印象がありました。そこで,「ここを描こう!」と即決し,オランダ風車の裏側を描き始めました。もちろん,それを描いている同級生はいません。私一人です。
私は絵を描くのが苦手でした。
しかし,ユネスコ村で描いたオランダ風車の裏側の絵が,所沢小学校内の写生大会で入賞しました。驚きです。まさに,想定外です。表彰式の日に先生から,「オランダ風車を人と違ったところから見て描いているのが面白いですね。ユニークな作品です。」のようなことを言われたのを覚えています。
ユネスコ村でオランダ風車を描こうと思ったら,まず全員がその表側を描きます。裏側を描く人はいないと思います。私の場合には,たまたま裏側に行ってみたらその形の面白さがわかったので,オランダ風車の裏側を描きました。まさに,「視点を変える」です。
弊社では,6月25日(土)に技術士受験対策として,「わかりやすい答案の書き方の基本(解説編)」の講習会を行います。この講習会は,「わかりやすい答案の書き方の基本=わかりやすい文章の書き方の基本」という考え方に基づく,わかりやすい文章の書き方を説明する内容です。
「技術士試験での受験対策」と聞くと,論文添削指導や出題予想対策などを思い浮かべる方が多いと思います。しかし,ここで視点を変えてみると,「文章の書き方を学ぶ」という受験対策が見えてきます。なぜならば,問題に対する解答は文章で書くからです。
すべての受験生の方が文章を書き慣れているとは限りません。
仕事で文章を書くことが少ないなど,文章を書き慣れていない方もいると思います。そのような方々に文章の書き方の基本を学んでいただくことがこの講習会の目的です。すなわち,この講習会は,「視点を変える」という考えに基づく内容です。
「視点を変える」ということを意識して下さい。新しい発見があるかもしれません。
また,考えが行き詰ったときや現状を打開できないときにも視点を変えてみて下さい。ヒントが見つかったり,停滞していた状況から抜け出せたりするかもしれません。