今回は,「図で考える人は仕事ができる」の紹介です。
◆「図で考える人は仕事ができる:久恒啓一著:日本経済新聞社」
図解の第一者である久恒啓一氏の著書です。久恒啓一氏は,数多くの図解に関する本を執筆されていますが,この本はその中の1冊です。
図解とは,図を使って説明することです。
私は,文章だけではなく図解を入れて提案書などを書くことがあります。図解があると提案事項などの説明がしやすくなるからです。また,提案書などを書く場合,提案の内容を図解で考えると提案のポイントが見えてきて頭の中が整理できるからです。
「わかりやすい文書の書き方」の前の形である「伝わるまとめ方・書き方の技術」の中では,「内容が明確に伝わる書き方」として図解も入れていました。
しかし,その他の書き方に比べて図解を使うことは少ないです。また,報告書などの文書の中に図解を入れることはほとんどないので,「わかりやすい文書の書き方」の中では図解を削除しました。
以下は,以前,図解で描いた資料です。
この図解はマルと矢印で描きましたが,久恒氏はこの本の中で以下のように書いています。
◆優れた図解とは
マルと矢印で描いた図の構成がわかりやすく,素晴らしいタイトルがあって,コメントがきちんとしていれば,優れた図解の完成です。この三つを一つのパッケージとして扱うことが図解をするコツでしょう。この三者がうまくかみ合えば,読み手の納得感が強まるのです。
図解で説明するときに重要なことは何か?
それは,図解で説明することの内容を掘り下げて理解していることだと思います。
久恒氏の別の著書である「図で考える人の図解表現の技術(日本経済新聞社)」では,新聞の社説を図解で描く例を示しています。
社説を図解で描くためには,社説の中にある重要なキーワードを見つけ,マルや矢印を使ってそれらを関連付けて描く必要があります。この作業は社説を1回読んだだけではできません。社説を何度も読みその内容を掘り下げて理解することでできます。
「図で考える人は仕事ができる」の本の帯に,「図にすれば,何でもよくわかる!・・・・思考力や解決力が格段にアップする」と書いてありますが,久恒氏のこの考え方に私は1票を投じます。