前回のブログでは,私の叔母が,振り込め詐欺の被害に遭いそうになったこと,知人のお父さんが,交通事故を契機として運転免許証を返納したことを書きました。
どちらの話にも共通しているのは,“「自分は大丈夫だ」と思う心理”でした。
私の叔母は,「自分は振り込め詐欺の被害などには遭わない」という“「自分は大丈夫だ」と思う心理”でした。
知人のお父さんは,「自分は交通事故など起こさない」という“「自分は大丈夫だ」と思う心理”でした。
しかし,どちらの場合も,“自分は大丈夫だ”は,成立しませんでした。
この“「自分は大丈夫だ」と思う心理”は,「書き手と読み手の違いの認識」にも共通することです。
これは,どのような意味かというと・・・・・
「読み手(自分が書いた文書を読む人)も,自分と同じようにこの文書(書き手が書いた文書)の内容を理解しているだろう」と思う書き手の心理が,“「自分は大丈夫だ」”と思う心理”と共通だということです。
つまり,書き手の一方的な思い込みです。ある意味,これは,片思いです。
例えば,業務報告書を書いたときにはその内容を確認すると思います。その確認の視点は,業務報告書に書いた内容の確認だと思います。
「読み手に,業務報告書の内容が明確に伝わるか?」という視点で確認する人はほとんどいないと思います。
このような視点での確認は,以下のようなことが書き手の頭の中にあるからだと思います。
書き手が書いた文書の内容に対する書き手の理解度=書き手が書いた文書の内容に対する読み手の理解度
このような一方的な思い込みは,私の叔母や友人のお父さんのように,“「自分は大丈夫だ」”と思う心理”と共通なものです。
「わかりやすい文書の書き方」のセミナーや社員研修では,時間をかけて,「書き手と読み手の違いの認識」を解説してます。
「書き手と読み手の違いの認識すること」は,わかりやすい文書を書くうえで非常に重要だからです。
「わかりやすい文書の書き方」のセミナーや社員研修の終了後に書いていただくアンケートの中で,「書き手と読み手の違いが認識できた」という感想を書く方も多いです。
書き手と読み手の違いの認識は,わかりやすい文書を書くうえで非常に重要なので,2016年11月5日のブログでもこれについて書きました(こちら)。
文書を書くときには,これを読む人(読み手)のことを頭の中に浮かべてください。文書の書き方が変わると思います。
最後に宣伝になりますが・・・・
「書き手と読み手の違い」を学びたいと思った方は,拙著:「技術者のためのわかりやすい文書の書き方」をご覧になってください(こちら)。