【技術士第二次試験・受験勉強方法の鉄則18】
◆勉強方法を考える
◆わかりやすく説明することを考えながら読む
「わかりやすく<伝える>技術:池上彰著:講談社現代新書 2003」の中で,池上氏は以下のようなことを書いています。これは,「本当に理解していればざっくり説明できる」という見出しでの内容です。
・・・略・・・
それに気づいたのは,イラク政治の専門家である酒井啓子さん(当時はアジア経済研究所の所属,現在は東京外国語大学大学院教授)に,「こどもニュース」のゲストとして解説していただいたときのことです。
酒井さんは,イスラム教やイラクという国について,本当にざっくりと説明してくださいます。私も,イスラム教やイラクについては,それなりに理解していたつもりですが,酒井さんのようにざっくりと説明するなんて,とても恐ろしくてできませんでした。「え,そんな説明でいいの?」と思うぐらい,子どもにもわかりやすい説明でした。
本当によく理解している人は,こんなふうにざっくりとひと言で説明できるのだなと思いました。
それは,大胆に省略できるからです。何を話すかではなく,何を割愛するか,ということも大事なこと。全体像が頭に入っていますから,落とすべき要素を選択できるのです。
よく理解していれば,わかりやすく説明できる。わかりやすく説明しようと努力すれば,よく理解できる。この原則に気づきました。
・・・略・・・
池上氏が書いているこの内容は,わかりやすい文書を書くうえで非常に重要なことです。
ただ,今回のブログは,技術士試験での受験勉強方法がテーマなので,後日,この内容に関連したテーマでブログを書きます。
この内容を土台にして考えると,受験勉強で使う教材を読むときのポイントがわかります。それは,
『わかりやすく説明することを考えながら読む』
です。
すなわち,これは,「読んだことをわかりやすく人に説明すること」を想定して読むことです。
読んだ内容を理解することで,その内容を,人に,わかりやすく説明できます。「理解したつもり」ではわかりやすく説明できません。
以下は,気象庁のサイトに掲載されていた「地球温暖化問題とは」です。
「この内容を,人に,わかりやすく説明しなさい」と言われたらどのように読みますか?
「この中で言いたいこと(要点)は何だろう?」,「この中で重要なことは何だろう?」,「この中で重要なキーワードは何だろう?」,「何と何を説明したらよいか?」などと考えながら読むと思います。
わかりやすく説明しなければならないので,「この内容を理解しよう!」と意識して読みます。このように読むことで読みが深まり内容が理解できます。ただ読むだけの場合に比べて理解度がアップします。
さらに,「わかりやすく説明しようと考えたこと(=理解したこと)」をノートに書くとこれらがしっかりと記憶できます。これは,ノートに書くことで,わかりやすく説明しようと考えたこと(=理解したこと)を形にするとともにそれを目で確認するからです。
一度,この勉強方法を試してください。