以下の記事を読んでください。
東京電力が「断層の活動性はない」と評価している新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の敷地内の断層をめぐり,新潟県内の地質学者などでつくる研究グループが,評価の根拠の一つとなっている地層の年代の推定が誤っている可能性があるとして,原子力規制委員会に審査の見直しを求めることにしています。
これは,NHKのサイトに掲載されていた記事です。
この記事を読んだときに文章の読みにくさを感じました。すなわち,「文章(文)が長いな」と感じました。
この記事は,文字数が140文字(句読点を含む)の1文(1つの文)で書かれています。140文字で書かれた文を理解するにはこの文を複数回読む必要があります。1回読んだだけでは,内容が明確に伝わりません。
技術士試験での答案を書く場合には,1つの文を72文字以内で書くことをセミナーなどで説明しています。72文字とは,技術士試験での答案用紙の3行分です(24文字×3行)。
72文字程度以内の文であれば,文を読んでも「長いな」と感じることはありません。
もちろん,75文字になっても80文字になってもかまいません。あくまでも,72文字は目安です。
1文の文字数についてサイトで調べると,50文字前後(40文字~60文字)で書くことを奨励しているサイトが多いです。
技術関係の文を書く場合には,「〇〇が△△した」のような表現ではなく,技術に関する説明を書くことが多いです。例えば,「地球温暖化とは,人間活動の拡大により二酸化炭素,メタン,亜酸化窒素など温室効果ガスの大気中の濃度が増加し,地表面の温度が上昇することである。(句読点を含め70文字)」
このため,技術関係の文を書く場合には,50文字前後より多い文字数で文を書いても問題はないです。
業務報告書などを書く場合には,72文字を参考にして70文字以内で書くことを目安にしています。もちろん,この場合も,75文字になっても80文字になってもかまいません。あくまでも,70文字は目安です。
ここで,NHKのサイトに出ていた記事の修正結果を以下に示します。
新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の敷地内の断層について,新潟県内の地質学者などでつくる研究グループが,原子力規制委員会にその審査の見直しを求めることにしています。これは,東京電力が「断層の活動性はない」と評価した根拠の一つである地層の年代の推定が誤っている可能性があるとしているからです。
基本的に原文のままの表現で書いています。語句を言い換えたりはしていません。なお,修正した文章は「81文字+63文字」で144文字です。
修正した文章の方が,原文より,内容が明確に伝わるようになったと思います。このブログを読まれた方はどのように感じましたか?
もちろん,「修正した文章が正解で原文が不正解」ということはありません。同じ内容ですから・・・・。
しかし,弊社では,セミナーなどで,1つの文は72文字(or 70文字)を目安に書くことを説明しているので,140文字で書かれた文があれば「文を修正しましょう」と指導します。
ところで・・・
拙著:「技術士第二次試験 建設部門 答案作成のテクニック 5つの手順で書いてみよう(こちら)」の中で説明している「要点法」の考え方に基づきNHKのサイトの記事を修正しました。
すなわち,伝えたいことの要点を文章の冒頭に書きました。