前回のブログは,「わかりやすく説明する」をテーマとして,業務の完了検査での説明に関する内容を書きました(こちら)。
今回のブログは,「わかりやすく説明する(説明時間を事前に決める)」というテーマですが,前回のブログの続編です。
Aさんは,業務の成果を長々と説明したため検査官から「説明を短くしてください。ポイントだけを簡潔に説明してください」と注意されました。
注意されたあと,業務の要約版に書かれている内容の一部をピックアップしながら説明しました。しかし,検査官に必ず説明すべき内容を飛ばし,説明すべき内容の補足内容を説明するなどの混乱がありました。想定外の注意だったので焦ったのだと思います。
学生時代と会社員時代,地盤工学会(学生時代は土質工学会でした)や土木学会の学術講演会で発表する論文を何度か執筆したことがありました。発表にまだ慣れていない学生のとき説明時間が足りなくなることがありました。
発表すべき内容の半分ぐらいしか説明していないにもかかわらず「残りは1分」というようなベルが鳴ったとき頭の中が真っ白になりました。「どうしよう・・・」と思い焦って説明したので,私の発表を聞いている人はその内容がわかりにくかったようです。発表の終了後,発表内容に関する様々な質問がありました。
学会の学術講演会では発表時間が事前に決められています。例えば,7分などです。そのため,与えられた時間内の説明で自分の研究成果を理解してもらうように説明内容を考えます。
業務の成果を説明する,技術提案書を説明する,営業資料を説明するなど何かを説明する場合には,その説明時間を自分で事前に決めておくと,例えば,今回のAさんのような混乱は起きません。
業務の成果の概要説明ならば,業務内容によって変わると思いますが,説明時間は10分~15分程度だと思います。
また,説明時間を聞き手に事前に宣言すると聞き手の負担を軽くします。例えば,「業務の成果の概要を10分で説明させていただきます」のような宣言です。
ダラダラとした説明が長々と続く「このような説明がいつまで続くんだ!」とだんだんイライラしてきて,説明を聞くための集中力が欠けてきます。
しかし,「説明時間は10分や15分」などのように説明時間が事前にわかると説明を集中して聞くことができます。自分が読み手になったことを考えるとこれがわかると思います。
前回のブログでは,「説明に強弱(メリハリ)がなく説明が間延びしていること」の対策として,説明に強弱(メリハリ)をつけることを書きました。
その方法の1つとして,「重要な内容は時間をかけて説明し,それを補足する内容は短時間で説明するあるいは説明を省くこと」を解説しました。
自分が決めた時間内で説明するうえでもこの考え方が必要です。重要な内容は説明し,それを補足する内容は短時間で説明したり説明を省いたりすることで時間内での説明ができます。
ここで,重要なことがあります。
2016年3月10日のブログのテーマは,「本質を理解するパートⅡ」でした(こちら)。このブログ中で「伝える力(池上彰著:PHP研究所)」から以下の内容を引用しました。
“「伝える」ために大事なこと。それはまず自分自身がしっかり理解することです。自分がわかっていないと,相手に伝わるはずがないからです。”
説明する内容を自分自身がしっかり理解することで自分が決めた時間内で説明できます。しっかり理解することで,残す内容と切り捨てる内容がわかるからです。
自分自身が説明する内容をしっかり理解していないと,「あれも重要。これも重要」となり,結果として予定の時間を超えます。
*2017年8月25日のブログ『これまでに読んだ本から(16冊目):【佐藤可士和の超整理術】』を参照(こちら)
これは,当たり前のことですが・・・。
最後になりましたが,説明内容を考え説明時間を考えてください。自分が聞き手になったことを考え,「自分が聞き手だったら,この内容なら○○分が適切だな」と考えてもかまいません。