JTAPCOブログでは,以下のことを何度も書いています。
“伝えるべき内容を書き手が掘り下げて理解していることでわかりやすい文書が書けます”
これは,文書をわかりやすく書くうえでの重要事項の1つだからです。
2018年4月1日のブログのテーマは,「これまでに読んだ本から(24冊目):【じょうずな勉強法】」でした(こちら)。
この本の中で著者の麻柄氏は以下のことを書いています。
「あることがわかる」→「別の疑問が生じる」というプロセスをくり返すのがわかり方の筋道なのだ。
この考え方はわかりやすい文書を書くうえで重要です。このプロセスをくり返すことで伝えるべき内容を掘り下げて理解できるからです。
2016年3月11日に掲載したブログ(テーマ:本質を理解すること(パートⅢ))で以下のことを書きました(こちら)。
例えば,住宅を造る様々な工法を紹介する本に,「〇〇工法は木造住宅だけに適用できる」と書いてあったとします。これを読んだとき,「〇〇工法とはそのような内容か」という程度での理解ならば,「〇〇工法」に対しては,「理解したつもりの技術」でのレベルです。
なぜならば,「〇〇工法は,なぜ,木造住宅だけに適用できるのですか? 技術的な根拠は何ですか?」,「〇〇工法は,なぜ,鉄筋コンクリート造住宅には適用できないのですか? わかりやすく説明して下さい」と質問されたとき答えられないからです。
これに対して,「〇〇工法は木造住宅だけに適用できる」という文を読んだとき,「なぜだろう?」と考え,「木造住宅だけに適用できる根拠や鉄筋コンクリート造住宅には適用できない根拠」や「鉄筋コンクリート造住宅に適用する場合の技術的課題と解決策」を調べたり,あるいは,考えたりすることで修得できた技術は「理解した技術」でのレベルです。
すなわち,「あることがわかる」→「別の疑問が生じる」というプロセスは・・・
「『〇〇工法は木造住宅だけに適用できる』ということがわかった」→「でも,〇〇工法は,なぜ,木造住宅だけに適用できるのだろうか」・「でも,〇〇工法は,なぜ,鉄筋コンクリート造住宅には適用できないのだろうか」
・・・というプロセスです。
2017年11月21日に掲載したブログ(テーマ:口頭試験での注意事項)で以下のことを書きました(こちら)。技術士の建設部門を受験したときの口頭試験での質問内容についてです。
私が「『○○』です」と回答すると,その回答に対して掘り下げた質問がありました。私が「『△△』です」と回答すると,さらに,その回答に対して掘り下げた質問がありました。私が「『□□』です」と回答すると,さらに,さらに,その回答に対して掘り下げた質問がありました。
「あることを質問する」→「質問の回答に対して別の質問が生じる」・・・
このようなくり返しの質問にも回答できたのは,質問に係わる内容について掘り下げて理解していたからです。
“伝えるべき内容を書き手が掘り下げて理解していることでわかりやすい文書が書けます”
これを実践するためにも・・・
「あることがわかる」→「別の疑問が生じる」というプロセスをくり返すのがわかり方の筋道なのだ。
・・・を認識してください。