2018年8月20日に掲載したブログのテーマは,「書くべきことを自分の頭の中ではっきりさせる」でした(こちら)。
このブログの中で,技術提案書の内容が明確に伝わらない理由として,「提案内容の着目点が不明確である」,「具体的な内容の文章や文を書いていない」,「意味がわかりにくい文を書いている」などを挙げました。
「提案内容の着目点が不明確である=提案内容の着目点を明確にすること」が指摘事項の中で最も重要だったので,社員研修の中ではこれを重点的に解説しました。
提案内容の着目点が不明確だと,「何でこのような提案を考えたのだろう? 提案の趣旨がわからない」と読み手に判断されてしまい提案内容が適切に評価されない可能性があるからです。
このことは,国土交通省が発注する業務を受注する場合に提出する技術提案書を書く場合だけが対象ではありません。
提案内容の着目点が不明確だと提案内容が適切に評価されない可能性があるのは,技術提案を考えるすべての場合に当てはまります。
「着目点を明確にすること」で提案内容が考えやすくなることを簡単な例で解説します。
例えば,「あなたができる地球温暖化防止対策を提案しなさい」という課題が提示されたとします。
この課題に対してどのような対策を提案しますか?
*社内では,適切な冷暖房の温度を設定する。
*風呂の残り湯を洗濯に使う。
*買い物をするときにはマイバックを持っていく。
などを考えるのかもしれません。
しかし,自分ができる地球温暖化対策をこのように思い付くまま書いていたら頭の中がゴチャゴチャになり,提案内容があまり出てこないかもしれません。
ここで登場するのが・・・「着目点を明確にする」・・・です。
例えば,これは,「“会社内でできる対策”,“家庭内でできる対策”,“家庭の外でできる対策“に着目して,自分ができる地球温暖化対策を考えよう」というように,提案すべき対策を考えるうえでの着目点を明確にすることです。
このように着目点を明確にすると提案内容が考えやすくなります。着目点を決めることで「○○もある,△△もある,□□もあるな・・・」のように考えが発散しないからです。
また,提案内容を書くときにも「着目点を明確にすること」で提案内容が読み手の頭の中に入りやすくなります。
例えば,以下のように書くよりも・・・
【自分ができる地球温暖化防止対策】
・社内では,適切な冷暖房の温度を設定すること
*具体的には、冷房時の温度を28°,暖房時の室温を20°にすること
・風呂の残り湯を洗濯に使うこと
・買い物をするときにはマイバックを持っていくこと
以下のように,着目点を書いたうえで提案内容を書くと提案内容が読み手の頭の中に入りやすくなります。
【自分ができる地球温暖化防止対策】
◆会社内でできる対策について
・社内では,適切な冷暖房の温度を設定すること
*具体的には,冷房時の温度を28°,暖房時の室温を20°にすること
◆家庭内でできる対策について
・風呂の残り湯を洗濯に使うこと
◆家庭の外でできる対策について
・買い物をするときにはマイバックを持っていくこと
どうでしょうか?
技術提案を考える場合には”着目点を明確にすること”を忘れないでください。