今回はテーマ3の補足説明です。
テーマ3は,「受験勉強の方法を工夫しよう」ですが,テーマ3では,以下の3項目をサブテーマとした内容を解説します。
◆その1:“過去問は宝の山”を認識しよう
◆その2:“多面的”や“多様”な考え方ができる頭を構築しよう
◆その3:“わかりやすい文書の書き方”の考え方を使って受験勉強をしよう
■その1:“過去問は宝の山”を認識しよう
「テーマ3・その1」では,「試験問題に関するキーワード分類」を主体とした過去問の分析方法を解説します。
例えば,以下に示した表-1のような形式で過去問を分析(過去問を整理)することで問題の出題傾向(出題内容)がわかります。なお,表-1は平成25年度から平成30年度の間に出題された問題を対象としています。平成21年度から平成24年度の間に出題された問題も同じような形式で過去問を整理することができます注1)。
注1):現在,日本技術士会のウェブサイトから平成21年度から平成30年度までの過去問(選択科目)がダウンロードできます(こちら)。
『表-1 過去問(問題)に関するキーワード分類表:平成25年度~平成30年度対象 』
ただ,表-1(キーワード分類)だけでは各問題での解答すべきこと(問われていること)がわかりません。そのため,表-1の内容だけでは,現状での自分の技術力の詳細な評価(以下,「現状での技術力の評価」と書きます)ができません。
表-1とともに,解答すべきこと(問われていること)がわかる表も作成して過去問を分析(過去問を整理)しておくことで現状での技術力の評価ができます注2)。また,現状での技術力の評価をしておけば優先的に勉強すべき内容が絞り込めます(勉強内容の選択と集中)。
注2):表中の主キーワードと副キーワードの意味についてはこちらをご覧ください。
例えば,表-1に“主キーワード=耐震,副キーワード=液状化”というキーワードが書かれていたとします。しかし,表-1(キーワード分類)だけでは,“液状化”に関して試験で何を解答するのか(液状化の発生原理なのか液状化の対策工なのかなど)がわかりません。
解答すべきこと(問われていること)がわかれば,「液状化の原理や液状化の判定方法についてはわかるが,液状化対策工を施工するうえでの留意点の理解が不十分だ」のような液状化に対する現状での技術力の評価ができます。現状での技術力の評価ができれば,「液状化対策工を施工するうえでの留意点を優先して勉強しよう」などのような勉強すべき内容の絞り込みができます(勉強内容の選択と集中)。
セミナーでは,表-1の他,解答すべきこと(問われていること)がわかる表の作成方法とこれらの表の活用方法(過去問の分析結果の活用方法)を解説します。
また,セミナーではこれらの解説の他,出題問題の予想方法や過去問の分析方法の工夫として類似問題の比較(こちら)についても解説します。
■その2:“多面的”や“多様”な考え方ができる頭を構築しよう
「テーマ3・その2」では,「問題解決能力及び課題遂行能力」の問題に対する対策を解説しますが注2) ,2016年4月17日に掲載したブログの内容(テーマ:多様な視点を構築する)に沿って解説します(こちら)。
注2):必須科目の対策になる可能性もあります。
また,【セミナーでの解説内容】で以下のことを書きました。
「テーマ3・その2」では,“多面的”や“多様”な考え方ができる頭を構築するための方法を認知心理学の考え方も取り入れて解説します。
2016年8月6日に掲載したブログのテーマは,「これまでに読んだ本から(5冊目):【間違いだらけの学習論】」でした。このブログの中で“精緻化”について書きました(こちら)。
また,2017年3月15日に掲載したブログのテーマは,「これまでに読んだ本から(12冊目):【あなたの勉強法はどこがいけないのか?】」でした。このブログの中でも“精緻化”について書きました。さらに,このブログの中では,RCCMという民間資格に合格した方の精緻化に関連した受験勉強方法も紹介しました(こちら)。
認知心理学の本を読むと“精緻化”という専門用語が出てきます。
「基礎から学ぶ認知心理学:服部雅史,小島治幸,北神慎司:有斐閣ストゥディア」という本では,“精緻化”を以下のように説明しています。
精緻化とは,覚えるべき情報に,それに関する別の情報を付け加えながら覚えるという記憶方略(覚える際,何らかの工夫をすること)の1つである。
「問題解決能力及び課題遂行能力」の問題に対する対策としてこの“精緻化”(覚えるべき情報に,それに関する別の情報を付け加えながら覚える)が参考になります。
セミナーでは,この“精緻化”と「問題解決能力及び課題遂行能力」対策の関連を詳しく解説します。
■その3:“わかりやすい文書の書き方”の考え方を使って受験勉強をしよう
「テーマ3・その2」では,【セミナーでの解説内容】で書いたように以下の内容を解説します(こちら)。
①「結局,ここでは何が言いたいのだろう?」と考えて読む
②記憶しやすい形にする
これらは,「6つのルールと17の書き方」に基づく内容です(こちら)。
①は,「ルール1(主要なことを冒頭に書く):書き方1・まず知りたいことを冒頭に書く」を応用した内容です。
②は,「ルール3(分けて書く):書き方7・かたまりに分けて書く」,「ルール3(分けて書く):書き方8・箇条書きで書く」,「ルール3(分けて書く):書き方9・表で書く」,「ルール5(視覚的に書く):書き方9・重要な内容を強調して書く」を応用した内容です。