例えば,建設部門・道路を受験する方が,応用能力に関する予想問題の答案の添削を依頼する場合には,建設部門・道路の技術士を持っている方に添削を依頼すると思います。
すなわち,受験する部門・選択科目と同じの技術士の資格を持つ方に添削を依頼すると思います。
ここで,視点を変えて添削を依頼することを考えてみます。
「視点を変えて添削を依頼すること」に関する具体的な事例を以下で2例紹介します。
■奥様に添削を依頼する
私が勤務していた会社の方は建設一般注1)の予想問題に対する答案をその方の奥様に読んでもらったそうです。すなわち,奥様に答案の添削を依頼しました。もちろん,奥様は技術者ではなく主婦です。
注1):建設一般とは,当初,技術士第二次試験での建設部門で出題された問題です。現状での“課題解決能力”のような内容の問題です。
奥様は,解答の中で筋道が通っていない箇所や説明不十分の箇所などを指摘したそうです。技術的なことはわからなくてもわかりにくい箇所を見つけることができたそうです。
指摘してくれた箇所を読み直すと確かに奥様の指摘の通りだったそうです。
その話を聞いたとき少し驚きましたが,技術的な内容がわからなくても解答の筋道が通っていない箇所や説明不十分の箇所などは主婦の方でもわかるということを知りました。
ただし,解答内容が技術的に正しいかどうかについては,受験する部門・選択科目と同じの技術士の資格を持つ方に添削してもらう必要がありますが・・・。
■部門外(専門外)の技術者に添削を依頼する
3年半前頃,電気電子部門を受験する方から「“業務内容の詳細注2)”を添削してほしい」との依頼がありました。
注2):業務内容の詳細とは,技術士第二次試験の受験申込み時に提出する技術士第二次試験受験申込書と業務経歴票のうち,業務経歴票の中で記載する項目の1つです。
添削を引き受けたものの,私は建設部門なので,「電気電子部門を受験する方の業務内容の詳細を添削できるのか?」と思いました。
しかし,業務内容の詳細を読むとわかりにくい箇所を見つけることができました。技術がわからなくても(専門用語がわからなくても),解答の筋道が通っていない箇所や説明不十分の箇所などはわかりました注3)。
注3):この内容は,2016年3月3日に掲載したブログ(テーマ:「技術士第二次試験対策:Aさんの合格とわかりやすい文書の書き方(パートⅠ)」で詳しく書きました(こちら)。
今回紹介した2例は,ある意味,「視点を変えて添削を依頼すること」です。
「多くの受験生の方は,自分の奥様や受験部門外(専門外)の技術者の方に,予想問題の答案や業務内容の詳細の添削を依頼しようと考えない」と思います。
しかし,視点を変えて添削を依頼することで添削の成果が得られることもあります。
「添削を依頼する人=受験する部門・選択科目と同じの技術士の資格を持つ方」という考え方を捨ててみたらどうでしょうか?