今回のブログは,「制限があることで結果が出る」という内容です。
■制限の中で“わかりやすい文書の書き方が習得できる”
「わかりやすい文書の書き方(こちら)」を学ぶ(習得する)方法として“日々のオンザジョブトレーニング”があります。
日々のオンザジョブトレーニングとは,仕事を通して「わかりやすい文書の書き方」を学ぶことです。
日々のオンザジョブトレーニングには4パターンのトレーニングがあります。その中の1つが“枚数に制限を設けて概要版を作成すること”です。例えば,A4判の用紙数枚以内やA3判の用紙1枚以内で概要版を書くことです。
枚数に制限がない中で概要版を書くことは簡単です。「やったこと」を羅列すれば概要版を書くことができます。
枚数に制限がある場合には「やったこと」を絞り込む必要があります。さらに,「やったこと」を絞り込んだら,読み手に「やったこと」が明確に伝わる構成やその構成に対する書き方を考える必要があります。
枚数制限の中で,明確に伝わる構成やその構成に対する書き方を考えることは大変です。しかし,この作業をすることでわかりやすい文書の書き方を学ぶことができます。
つまり,“枚数制限”という中で「わかりやすい文書の書き方が習得できる」という結果が出ます。
以下は,「論文の書き方:清水幾太郎 岩波書店」の中の一節です。2016年11月17日に掲載したブログの中で紹介しました(こちら)。
・・・・枚数が小さく限られていると,否応なしに,読んだものの大部分を思い切って捨てなければならぬ。本質的なものを学び取らねばならぬ。枚数の制限というのは,精神をノンビリした受動性から苦しい能動性へ追い込むための人工的条件である。・・・・
■制限の中で“技術士第二次試験に合格できる”
会社員だった頃,技術士(こちら)の資格を取得した同僚と“技術士の取得”について話をしたことがあります。
仕事で忙しい人の方が技術士の資格を取得しやすい
実際,所属していた会社の中で技術士の資格を取得した多くの人が,仕事が忙しく日々十分な受験勉強の時間を確保できませんでした。
これらの中には,同僚から「○○さんは仕事があんなに忙しかったのによく試験に合格できたな。いつ勉強したのだろうか?」と言われていた人もいました。
自分のことを書くのはおこがましいですが,技術士第二次試験の受験勉強していた頃は本当に忙しかったです。
「仕事で忙しく受験勉強の時間が十分に確保できない=受験勉強の時間に制限がある」と考えることができます。
受験勉強の時間に制限があるため工夫して受験勉強をします。与えられた時間の中で勉強の成果を出すため工夫して受験勉強をします。私も工夫して受験勉強をしました。
つまり,“受験勉強時間の制限”という中で「技術士第二次試験に合格する」という結果が出ます注)。
注):この結果を出すためには,「絶対に合格する!」という強い気持ちを持つことも必要です。
“制限”は,精神をノンビリした受動性から苦しい能動性に追い込みます。追い込まれることで,“火事場の馬鹿力”の状態になり結果が出るのだと思います。
何かをするとき,自ら“制限”を設けてみたらどうですか?