安倍内閣の菅官房長官が定例の記者会見で“緊密”という言葉を使うことがあります。例えば,「日本企業とも緊密に連携を取っている」や「米国と緊密に連絡を取っていく」などです。
菅官房長官だけではなく他の政治家も“緊密”という言葉を使うことがあります。
これまで,仕事上の会話でも私的な会話でも“緊密”という言葉を使ったことがありません。
「○○社の担当者と緊密に連絡を取る,友人の○○さんと緊密に連絡を取る」????
そこで,“緊密”という言葉の意味を広辞苑(第五版)で調べてみました。
【緊密】
①隙間なく付着していること
②関係が非常に密接なこと
「緊密な協力,緊密に連絡を取る」
③厳重,厳密
①と③は予想していなかった意味ですが,②は予想通りの意味でした。
“緊密”という言葉に反応した理由は②と同じような意味で“密”という言葉があるからです。
「連絡を密に取る」という使い方をしたことがあります。
そこで,“密”という言葉の意味を広辞苑(第五版)で調べてみました。
【密】
①すきまのないこと,ちかしいいこと
「連絡を密にする」
②きめのこまかいこと,行きとどいていること
緊密と密との各々の意味を考えると,例えば,「米国と緊密に連絡を取っていく」と「米国と密に連絡を取っていく」を比べた場合,「米国と緊密に連絡を取っていく」の方が米国との関係の強固さを感じます。
相互間が強固であることを強調する意味からも政治家は“緊密”という言葉を使うのかもしれません。