7年前ごろ,RCCM(こちら)という資格試験での予想問題に対する答案の添削の仕事をしました。ある会社の方から依頼されたもので5名の方の答案を添削しました。
その中で,印象に残る答案が1編ありました。パッチワーク答案です。パッチワーク答案とは,解答を考えるうえで参考になる参考図書の内容をそのまま答案に書き写して作成した答案のことです。
その方は,複数の参考図書からの引用で答案を作成していました。引用した部分の間に自分で考えたつなぎの文を入れていましたが,読んだときすぐにパッチワーク答案だということがわかりました。
その添削の仕事では,添削対象者に添削結果を直接説明することになっていたので,その方に「複数の参考図書からの引用で答案を作成しましたか?」と確認すると「引用しました」と答えました。
パッチワーク答案だということがわかるのは,受験生の考え(意見)を書いていないことが読んでいてわかるからです。また,複数の参考図書から引用しているため解答の流れが不自然に感じるからです。
試験本番でこのようなパッチワーク答案を書くと不合格になると思います。
2019年度から技術士第二次試験の試験方法が改正され,必須科目がこれまでの択一式試験から記述式試験に変わります。つまり,技術士第二次試験では必須科目,選択科目ともに記述式試験になります。
現状では,必須科目ではどのような問題が出題されるのかわかりません。しかし,必須科目の出題内容から判断すると,平成19年度~平成24年度までの必須科目の問題,あるいは,平成25年度~平成30年度までの課題解決能力(Ⅲ)のような問題が出題されると思います。
つまり,自分の考え(意見)を書かせる問題です。例えば,「~についてのあなたの考え(意見)を述べよ」のような問題です。あるいは,平成25年度~平成30年度までの課題解決能力(Ⅲ)の問題のように「○○についての課題を3つ挙げ・・・(自分が考える課題を書きます)」のような問題です。
このような問題に対しては,参考図書に書いてあることをそのまま自分の考え(意見)として書いたり,単なる思い付きや独断的な考え(意見)を書いたりするのではなく,説得力のある自分の考え(意見)を明確に書くことで合格点がもらえます。
もちろん,参考図書に書いてあることを参考にして自分の考え(意見)をまとめてもかまいません。
自分の考え(意見)を書かせる問題では,「この受験生はよく考えて自分の考え(意見)を書いているな」と評価してもらうことが合格点を取るためのポイントです。