これまでに読んだ本から(37冊目):【1分で話せ】

今回は,「1分で話せ」を紹介します。 

◆「1分で話せ:伊藤羊一:SBクリエイティブ株式会社

今年の4月に購入した本です。面白そうだったので購入しました。購入した直後に読む予定でしたが最近読みました。

社内会議,プレゼン,取引先との商談など,仕事で聞き手に何かを説明するときのポイントの説明が中心です。しかし,わかりやすい文書を書くときのポイントと共通した内容もあります。その内容の1つを紹介します。

「第2章 STEP2 1分で伝える 左脳が理解するロジックを作る」という章の内容の一部です。

まず,「どっちが伝わる?」と読者に問いかけています。

『A』

この商品はお客さんが絶賛していました。
販売店も受注に前向きです。
実際に数字も上がっています。

『B』

この商品は増産すべきではないでしょうか。

Aの場合は聞いている人が,「で?」となってしまいます。

著者は,Aの方は「てっぺんのないピラミッドになっている」と説明しています。

以下,本書からの抜粋です。


ロジカルシンキングを多少なりとも勉強した方は,ピラミッドストラクチャーを学んだ方も多いと思います。

初めて聞く方のために簡単に説明すると,話には結論と根拠があり,その結論を一番上に,根拠をその下に並べたものです。根拠は複数あることが多いので,三角形,つまり,ピラミッドのような形をしているので,「ピラミッドストラクチャー」といいます(以下参考)。

Aの人は,ピラミッドでいう「根拠」だけがあり,結論がありません。「Aさんがいいと言っていた」,「数字が上がっている」など事実やデータをいくら重ねても,相手はこのデータや事実から,何を読み取ればいいのかまったくわかりません。だから,「で?」となってしまうんです。

以下略


この内容は,「技術士第二次試験・わかりやすい答案の書き方のポイント」に書いた内容と共通しています(こちら)。わかりにくい答案を読むと同じ感想になります。答案用紙は文字で埋っていますが,読み終わったあとの感想は,「結局,何が言いたいのだろう?」となります。

わかりにくい文書を読んだときも同じ感想になることがあります。

わかりやすい文書(読み手に内容が明確に伝わる文書)の書き方とこの本の内容とを対比すると「同感!」と思う箇所が他にもあります。

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