テレビのニュースを見ていて最近気になった2つの言葉をテーマにしたブログを掲載します。
■台風が上陸する危険性
先日,台風10号が四国に上陸して各地に大雨を降らせました。台風10号が日本に向かって進んでいるときNHKのテレビのニュースでは,「台風10号がこのまま進めば西日本に上陸する危険性があります」と言っていました。
この言葉を聞いたとき「なぜ,・・・日本に上陸する可能性があります・・と言わないのだろうか?」と思いました。
“危険性”という言葉を使うならば,「〇〇県では,今回の大雨によって土砂災害の発生の危険性があります」のように使うのではないでしょうか。「日本に上陸すること=危険」なので「〇〇の危険性」ではなく「〇〇」を省略して「日本に上陸する危険性」と言ったのでしょうか。あるいは,「日本に上陸する可能性があります」という言い方では,この言葉を聴いた人が「危機感」を持たないからかでしょうか。
「日本に上陸する危険性」でもかまいませんが,「台風10号がこのまま進めば日本に上陸する危険性があります」という言葉に対して違和感を持ちました。
■エアコンを適切に使う
今,日本では毎日猛烈な暑さが続いています。熱中症になる人や熱中症で病院に搬送される人が多く出ています。
NHKのニュースでは,毎日,熱中症に注意するように言っています。注意喚起に関する言葉は,「こまめな水分補給」と「エアコン(or冷房)を適切に使うこと」です。
「こまめ」については,以前,これをテーマにしたブログを掲載しました(こちら)。
気になった言葉は「エアコンを適切に使うこと」です。
この言葉を聴いても頭の中がぼんやりとしています。なぜならば,“適切”の意味がぼんやりしているからです。この言葉を聴くと,“適切”とはどのような意味?と思います。
エアコンの設定温度や使用時間あるいは使用する時間帯などは各家庭で異なると思います。そのため,「熱中症予防のために,室内の温度が28℃以下となるように終日(寝てるときも含む)エアコンをつけておきましょう」などと言うことはできません。
したがって,NHKも具体的な内容を説明せずに,「エアコンを適切に使うこと」というような表現を使っていると思います。つまり,これは,ニュースを見ている人にエアコンの使い方を委ねていることです。
しかし,「エアコンを適切に使うこと」のようなぼやけた言葉ではなく,例えば,以下のような言葉で言ってもらったほうが頭の中がスッキリします。
「熱中症予防のためにエアコンを使いましょう。ただ,各家庭でエアコンの設定温度,エアコンの使用時間あるいは使用する時間帯などは変わりますのでこれらは各家庭で決めてください。」
ところで,来年もこのような猛暑だったら,東京オリンピック・パラリンピックは安全に開催できるのでしょうか?