2019年度の技術士第二次試験・必須科目の問題について,2019年7月24日に掲載したブログの中で以下のことを書きました(こちら)。
「技術者としての倫理」と「社会の持続可能性」の観点から解答させる問題が全部門で出題されている。
「社会の持続可能性」というキーワードを見て「エッ?」と思った受験生の方も多かったと思います。
「技術者としての倫理」については技術士会が事前に公表した試験内容からこの出題を予想された方も多いと思います。しかし,「社会の持続可能性」については想定外だと思った方も多かったと思います。
技術士会が事前に公表していた資料では,必須科目の問題の出題内容が以下のように書かれていました。
出題内容のポイントは「現代社会が抱えている様々な問題について,『技術部門』全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題の観点から」の部分です。
「社会の持続可能性の観点から解答させる問題が全部門で出題されている」と書きましたが,「社会の持続可能性」も現代社会が抱えている様々な問題の1つです。
2019年度の試験では出題内容のポイントがどのように試験問題に反映されているのかを確認するため,全部門の必須科目での試験問題を調べてみました。結果を以下に示します。
社会の持続可能性について解答させる問題が全部門で出題されていましたが,「SDGs(持続可能な開発目標)」について出題している部門もありました。衛生工学部門,水産部門および環境部門です。
2019年度の試験では,「持続可能性or持続可能」が出題上の重要なキーワードでした。持続可能な社会の構築は「現代社会が抱えている様々な問題」の1つだからです。
「出題内容でのポイントは,現代社会が抱えている様々な問題について,『技術部門』全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題の観点からの部分」と書きました。
建設部門では,「建設分野における生産性の向上」と「国土強靭化」に関する問題が出題されていました。
建設分野における生産性の向上の問題に関しては,我が国の人口減少,今後予想される働き手の減少などを問題の背景として書いています。
国土強靭化の問題に関しては,激甚化する自然災害,今後発生が予想されている南海トラフ地震や首都直下地震などを問題の背景として書いています。
これらの背景はいずれも現代社会が抱えている様々な問題の1つであり,これらの問題に対して建設部門の観点から解答させる問題を出題しています。
つまり,「現代社会が抱えている様々な問題について,『技術部門』全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題の観点から」という考え方に沿って問題を出題しています。
他部門での出題内容を見てもこの考え方に沿った問題が出題されています。
必須科目では,「現代社会が抱えている様々な問題とは何か?」を考えること,この様々な問題と受験する部門との関係を考えること・・・が受験勉強をするうえでのポイントの1つです。
「現代社会が抱えている様々な問題とは何か?」を考えるため,「テレビやネットなどでニュースを見たり,ラジオなどでニュースを聴いたり,新聞を読んだりして,国内外で起こっていることや国内外で問題になっていることを常に確認してください。
来年度(2020年度)の技術士第二次試験に対する受験勉強はすでに始まっています!