今回は,選択科目の出題内容を整理します。
令和元年度の専門知識では,「選択科目」における重要なキーワードや新技術等に対する専門知識を問う問題が出題され各選択科目で独自の出題内容でした。
各部門で出題内容が共通だったのは,「応用能力の問題」と「問題解決能力及び課題遂行能力の問題」でした。
日本技術士会では,事前に,「応用能力の問題」と「問題解決能力及び課題遂行能力の問題」の出題内容を以下のような内容で公表していました。
「応用能力の問題」と「課題解決能力(平成30年まで出題)」の問題では,平成30年度までは,各部門でそれぞれ異なった出題内容でした。
例えば,平成30年度の建設部門・道路と同電気電子部門・電気応用での各課題解決能力の問題を比較してみます。
両部門とも(1)~(3)までの設問ですが,例えば,建設部門・道路の(1)の問題は原因を多面的に解答する内容です。これに対して,電気電子部門・電気応用の(1)の問題は概要及び課題を解答する内容です。
◆平成30年度・建設部門・道路
◆平成30年度・電気電子部門・電気応用
ここで,令和元年度に出題された「応用能力の問題」と「問題解決能力及び課題遂行能力の問題」の出題内容を整理してみます。
◆応用能力の問題
応用能力の問題は,選択科目に関連した業務を想定しそれに対して以下のようなことを解答させる問題です。部門や部門内の選択科目の違いで一部異なる内容や表現になっていますが問われてものは基本的に以下の内容です。
(1)調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について,留意すべき点,工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
◆問題解決能力及び課題遂行能力の問題
問題解決能力及び課題遂行能力の問題は,社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題と選択科目との関係を問う内容です。このような内容に対して以下のようなことを解答させる問題です。部門や部門内の選択科目の違いで一部異なる内容や表現になっていますが問われてものは基本的に以下の内容です。
(1)技術者としての立場で多面的な課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策を述べよ。
今年度(令和2年度)の出題内容ですが,日本技術士会が提示する出題内容が昨年度と同じならば,「応用能力の問題」と「問題解決能力及び課題遂行能力の問題」も今年度と同じ内容の問題になると思います。
令和元年度の出題内容を再度確認してから(どのようなことが問われているのか・・・を確認してから),今年度の試験に対する受験勉強の戦略と戦術を考えてください。