2020年2月29日(土)の夜にNHK総合テレビで以下の番組が放送されました。
「NHKスペシャル:東京リボーン・第4集・巨大インフラ 百年残す闘い」
首都高速道路の橋梁のメンテナンスと東京タワーのメンテナンスがテーマでした(こちら)。
この番組については当日のTwitterで,「今年,技術士第二次試験を建設部門で受験する人は,この番組を見たほうがよい。解答を書くうえでの参考になる内容があるかも・・・」とつぶやきました。
中身の濃い番組でした。技術士第二次試験を受験する予定はもうありませんが,建設部門を受験する受験生だったら「解答を考えるうえでの参考になった」と思える内容でした。また,「このような番組を見てからインフラの維持管理の勉強をすると勉強内容の理解度が上がる」と思いました。
番組内では,学者やメンテナンスの最前線で働く方などのインタビューがありました。
インタビューの中で,一人の技術者として印象に残った言葉がありました。それをここで紹介します。
■東京都市大学学長:三木千尋(構造工学や橋梁工学などの専門家)
*新しいものを造るのは比較的やりやすい。でも,造ることより今あるものをどうやって直していくかという方がはるかに難しい。
*今いろいろ(首都高速道路の橋梁で)損傷が出てきているけど,的確にね,的確な技術によって直していけば,プラス100年ほどはできると思っているんです。プラス100年の延命。
■内藤多仲(東京タワーの設計者)
*十分に保守がよければ千年の寺院でも今日厳存しうるのである。
*東京タワーにしても,ペンキ塗りなどに細心の注意を払い保存をよくすれば永久の寿命を期待しうると思われる。
注):この番組を見て初めて知ったことがあります。東京タワーは完成の7年後(東京タワーの建造年は1958年)には全面塗り替えを行ったそうです。その後も5年に一度,1年をかけて全面塗り替えを行っているそうです。大敵の錆から守り強さと美しさを守るために。また,東京タワーは,「造ればそれで終わり」という考え方が主流だった高度経済成長期にあって,すでに,建設の時点から地震への備えや将来のメンテナンスを視野に入れて造られた稀有の存在だったそうです。
■首都高速道路の橋梁のメンテナンスを担当する技術者の方
*建設と同時にメンテナンスは始まっている。管理する人はそこが責任。造りっぱなしではだめです。何でも物を造る人はそういう責任を永遠に持ち続けるべき。
*メンテナンスさえすればまだまだ寿命が延びるインフラ構造物はいっぱいあると思います。
これらの言葉から,「造っては壊すというサイクルを脱却し,すでにあるものをどのように守り後世に残していくか・・・という時代になった」と思います。
この番組を見て,NHKスペシャルなどの番組を見ることも技術士第二次試験の受験勉強になることを改めて思いました。これについては後日ブログで書きます。