“油断”という言葉があります。意味は,「たかをくくって,気をゆるすこと。不注意」です。
新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が首都圏などで解除されたのが5月25日です。解除から約1か月以上が過ぎました。
緊急事態宣言が首都圏などで解除されたのはこの地域での感染者数が減ってきたことが大きな理由です。
しかし,最近,感染者が徐々に増えています。東京都では連日50名以上の感染者が出ています。また,東京都以外でも感染者が増えている地域もあります。いまだに「全国での感染者がゼロの日」がありません。毎日必ず感染者の発表があります。これは,新型コロナウイルスが市中に存在していることを意味します。
感染者が増えているのは経済・社会活動を再開させたことが理由です。すなわち,人と人とが接触する機会が増えたことが原因です。人と人とが接触しなければ感染しないと言われています。特に,3密での人と人との接触が危険です。
コロナ対策は非常に難しいです。経済・社会活動を停止し人と人との接触を減らせば感染者も減ります。しかし,これでは経済や人の心が疲弊します。経済・社会活動を再開させれば感染者が増えます。今,日本や世界で起こっているように・・・。
今世界で起こっていることは誰も経験したことがないことです。そのため,試行錯誤をしながら,新型コロナウイルス感染症対策と経済・社会活動を両立させる必要があります。
ただ気になるのが人々の“油断”です。もちろん,日本に暮らしているすべての人々ではありませんが,一部の人に新型コロナウイルス感染症に対する“油断”が見られます。
前回のブログでも書きましたが(こちら),マスクを着用していない人が市内で目立ちます。また,店の入り口に置いてある手指消毒用のアルコールを使用せずに,スーパーマーケットなどに入る人も緊急事態宣言が出されていた頃に比べて多くなったような気がします。
緊急事態宣言が全国で解除され経済・社会活動が再開されたことから,「新型コロナウイルス感染症に対するリスクが去った。もう大丈夫だ」と勘違いしている人がいるのではないでしょうか。
これはまさに“油断”です。
実は,新型コロナウイルス感染症に対して私も油断していました。緊急事態宣言が出されていた頃に比べて緊張感が無くなっていました。
「今日,東京都で新たに58人の感染者が出ました」というニュースを見ても他人事としてそのニュースを見ている自分がいます。「明日は我が身」かもしれない状況なのに・・・。
外出するときには必ずマスクを着用します。手洗いやうがいを頻繁に慣行しています。店に入るときには必ず店に置いてあるアルコールで手指消毒をします。しかし,緊急事態宣言が出されていた頃に比べて,「人と接触する回数を極力減らそう」,「買い物に行く回数を減らそう」などという気持ちが薄らいでいます。「感染者数が減ってきたから自分は感染しないだろう」という心の油断があるのだと思います。
新型コロナウイルス感染の第2波,第3波は必ず来ると言われています。これが,冬のインフルエンザの流行と重なったら大変です。もしかしたら,今,第2波の入り口にいるのかもしれません。
新型コロナウイルス感染症に対するワクチンが開発されないとこの感染症は終息しないと言われています。ワクチンが開発されて多くの人がこれを接種し新型コロナウイルス感染症の終息が見えるまで,新型コロナウイルス感染症に対して油断してはいけません。
新型コロナウイルス感染症に対して油断しないことは,自分が感染しないためでもあるし,家族など自分の周囲にいる人を感染させないためでもあります。
このブログを書きながら,「新型コロナウイルス感染症に対して油断せずにもう一度緊張感を持とう!」と改めて思いました。