新型コロナウィルス感染症対策としてのワクチンの予防接種が本格的に始まりました。現在は,各自治体で実施する場合と国で実施する場合があります。また,65歳以上の高齢者が対象です。ただ,国で実施する場合は首都圏と関西圏に住んでいる方だけが対象ですが。
各自治体で実施するワクチンの予防接種に関するトラブルが連日報道されています。トラブルのほとんどがワクチン接種の予約に関することです。ネットが繋がらない,電話が繋がらない,自治体の窓口に直接行っても受け付けてくれない,あるいは,受け付けてくれても数時間待たせられる・・・・などなど。
6時間近く電話をかけ続けても繋がらなかった方や家族全員でネット接続を試みたが繋がらなかった方がいたそうです。自治体名は忘れましたが,自治体の窓口で受付してもらうため徹夜して並んだ方もいたそうです。
コロナウィルス感染症は第1波,第2波,第3波,第4波と繰り返し襲ってきていますが,だんだん患者数や死者数が増えてきています。コロナウィルスも次々に変異して人間を襲っています。
このような状況の中で,「新型コロナウィルス感染症対策としてワクチンを接種しますからまずは高齢者の方は予約してください」と言ったら多くの方が予約に殺到すると思います。特に,若い人に比べて高齢者の方は自分の健康に不安があるからです。
我が国の国民を対象にした大規模接種は誰も経験したことがないので各自治体の担当の方もワクチン接種を手探りの中で始めていると思います。そのためこのようなトラブルの発生は致し方ない面もあると思います。・・・ですが,このような事態になることは予測できたとも思いますが・・・。
大事なことは,トラブルが発生したらその対策を早急に講じることです。ニュースを見ているとトラブル対策をすぐに講じた自治体があります。何をするにも予期せぬトラブルが発生する可能性があります。重要なことは,トラブル対応です。これは,危機管理です。
あるいは,このような自治体は,予約に関するトラブルを予測してその対策を事前に考えていたのかもしれません。すなわち,リスク管理です。
元政府側にいた方が現政府のコロナ対応について「今の政府は危機管理が欠如している」と発言しているニュースを見ました。
また,トラブルを予測しその対策を事前に考えることも必要です。これは,リスク管理です。
“危機管理やリスク管理”という言葉を聞くと,「危機管理やリスク管理なんて自分の毎日の生活とは無関係だ」と思う方も多いと思います。しかし,毎日の生活の中にも危機はあります。
例えば,今後30年の間に約70%の確率で発生するとされている南海トラフ地震と首都直下地震があります。「これらの地震が発生したら自分や家族にどのようなリスクがあり,これが発生した場合それに対してどのように対応するのか(対策)」を事前に考えおく必要があります。すなわち,リスク管理です。
また,地震発生時に予測していなかったことが発生した場合,この危機を乗り切るための危機管理も必要です。
今回のワクチン接種の予約のトラブルを見て“危機管理とリスク管理”について改めて考えました。