先日,家電製品の掃除をしました。掃除をするためには家電製品の一部を分解する必要があります。過去に何度か掃除をしたことから分解方法はわかっていたので取扱説明書を読まずに分解してその中の掃除をしました。
掃除が終わったので元に戻そうとしましたが、最後の部品が本体に取付きませんでした。これまでは問題なく元に戻せましたが・・・。
何度やっても取り付かないので「掃除をしているときどこかを壊したか」と思ったのですが,「取り付け方法が間違っているかもしれない」と思い取扱説明書を読んでみました。
結果は,最後の部品の取り付け方の思い込みでした。取扱説明書を読みながらやってみたら簡単に本体に取付きました。自分の頭の中では「こうすればできる」と思い込んでいたため取り付かずに無駄な時間を使ってしまいました。
会社員時代,構造物の構造解析を解析用のソフトウェアを使って行っていました。解析時には,解析するための数値を入力します。入力する数値を間違えると解析結果も変わるので入力値を必ずチェックします。
一度,入力した数値をチェックするとき思い込みでチェックしたことがありました。「この数値は間違っていない」と思い込み,ある数値を算出した根拠を未確認のままチェックを終わらせてしまいました。
解析が終わり,解析結果を見て「何か変な結果だな」と思いました。そこで,入力した数値を再度チェックしたところ未確認のまま入力していた数値が間違っていました。解析結果に何の疑問も持たずにその解析結果を提出したら間違った結果を提出していました。
“内容が明確に伝わる技術文書の書き方”のセミナーや研修では,この思い込みに関係した内容を解説しています。「書き手と読み手の違いを認識すること」と「『理解したつもり』から『理解した』へ」です。
技術文書を書くとき思い込みがあると「内容が伝わる技術文書」を書いてしまうからです。
思い込みは,”百害あって一利なし”です。