「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の技術」を解説するセミナーの中では,書き手と読み手の違いについて時間をかけて解説しています。「書き手とは知っている人,読み手とは知らない人」を認識することが,内容が明確に伝わる技術文書を書くための一丁目一番地だからです。内容が明確に伝わらない技術文書を書くと読み手に負担がかかります。
私が在籍していた会社の方が技術士第二次試験の試験官をしていました。25年ぐらい前に聴いたことなので詳しい内容は忘れましたが,日々の仕事が終わった後の時間や休日を使って採点するそうです。また,かなりの数の解答を採点するそうです。期日が決められているので,一人の受験生に十分な時間をかけて採点することはできないのですが、受験生のことを考えると,簡単に採点できないと言っていました。何度も読まないと受験生の考えがわからない(伝わらない)解答もあるそうです。「採点が大変だった」という言葉が頭の中に残っています。
もちろん,試験官をしているときにはこのような話は聴けないので試験官を退任してから聴きました。
このような話を聴くと,試験官のために,1回読んだだけで内容が明確に伝わる解答を書くことが重要だと思います。
マークシート式の試験ならば機械が解答を読み取り採点しますが,記述式の試験は人間(試験官)が解答を読み採点します。
受験生の方は,「採点に関する試験官の負担も考えて解答を書く」という考えを持って試験に臨んだらどうでしょうか。「解答を考えそれを時間内に答案用紙に書き出すことで頭がいっぱいだ」と思う方も多いと思います。
でも,弊社の「技術士第二次試験・論文の書き方」を聴いていただければ1回読んだだけで内容が明確に伝わる論文を書くことができます。この書き方は「結論を先に書く」という文章の書き方と類似した考え方です。
今年初めて受験される方が基本的に対象ですが,受験経験のある方が聴いていただいても構いません。