今回は,「書き方8:表で書く」に関する補足解説です。「『書き方8:表で書く』を使うときのポイント」および「表の作成に関する参考事項」の解説です。
■「書き方8:表で書く」を使うときのポイント
書き方8とは,表で内容を書くことです。「『書き方8:表で書く』」を使うときのポイント」とは,表の内容を一層明確に伝える方法を考えることです。これは,例えば,「『君の書いた技術文書はわかりやすい』と言われる技術文書の書き方(その15)」で解説したように,表の中の重要な内容を強調すること(表1:アンダーラインを引く,フォントを変える)や表の内容に関する写真を入れること(表2)です。
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◆表1
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◆表2
■表の作成に関する参考事項
表1と表2では表の書き方が異なります。表1は,縦の項目に車の種類(ハイブリッドカー,コンパクトカー,セダンカー)を書き,横の項目に(定義,特長)を書いています。これに対して表2は,縦の項目に(定義,特長,写真)を書き,横の項目に車の種類(ハイブリッドカー,コンパクトカー,セダンカー)を書いています。
表2のような書き方をすると,車の種類ごとの定義,特長,写真(車の形状)が比較しやすくなります。理由は,人間の目は水平方向(左から右)に自然に動くからです。
表1のような書き方をすると,車の種類ごとの定義,特長,写真(車の形状)を比較するために目を垂直方向に動かす必要があります。これは人間の自然な目の動きに反しています。このように表を書くと表の内容を読むとき違和感を持ちます。
表を書くときには,内容を表で書くだけではなく「表の内容を一層明確に伝える方法を考えること」や「人間の目の動きを考えること」を考えてください。このようなことを考えて表を書くことで内容が一層明確に伝わる表を書くことができます。
次回に続きます。
【参考文献】
森谷仁著,「マンガでわかる技術文書の書き方」,オーム社,令和4年3月25日