「“1分で理解できる解答”の書き方」の中で,「“1分で理解できる解答”の書き方」のトレーニング方法として過去問を使った方法を解説しました(「6.参考:『1分で理解できる解答の書き方』のトレーニングについて」参照)。
この方法の他に,日常業務の中でトレーニングする方法があります。日常業務の中でトレーニングする方法とは,「6つのルールと18の書き方」の中の「書き方1:要点を冒頭に書く」を使う方法です。「書き方1:要点を冒頭に書く」とは,「内容に関する要点を冒頭に書き,この要点に関する説明をその後に書くこと」です。すなわち,この方法とは,日常業務の中で書き方1を使って技術文書を書くことです。
「“1分で理解できる解答”の書き方」は,「書き方1:要点を冒頭に書く」の考え方を使った書き方です。したがって,日常業務の中で書き方1を使って技術文書を書くことで「“1分で理解できる解答”の書き方」のトレーニングができます。「内容の要点=解答の要点」,「内容の要点の説明=解答の要点の説明(要点の説明)」だからです。
例えば,業務報告書の中で業務の検討目的を書くことを考えます。書き方1を使って書くと以下のようになります。
1.検討目的
本業務の検討目的は○○橋の改修設計である。○○橋は,国道△△号線を横断するRC床版橋であるが,現在の橋梁幅員は,国道△△号線の道路改良事業に伴う道路拡幅条件を満足していない。また,当該橋梁の架設時期が昭和××年のため,当該橋梁は,現状の設計基準に適合した構造ではない。そのため,構造上および安全上から当該橋梁の改修が必要である。
ここで,橙色で着目した箇所が内容の要点です。緑色で着目した箇所が要点の説明です。つまり,内容の要点を冒頭に書き,内容の要点の説明をその後に書いています。
すなわち,「検討目的の要点(内容の要点)は何か」,「検討目的の要点の説明(要点の説明)は何か」と考えて「1.検討目的」を書きます。
例えば,「結論を先に書く」という書き方も書き方1を使って書くことです。
このように,業務の中で,書き方1を使って技術文書を書くことで「“1分で理解できる解答”の書き方」のトレーニングができます。
次回に続きます。
【参考図書】
森谷仁著,「マンガでわかる技術文書の書き方」,オーム社,令和4年3月25日