前回のブログでは,DXについて学ぶことを例にして以下のことを解説しました。
インプットの段階からアウトプットのことを考えて勉強をすることで「解答の要点と解答の要点の説明を考え,これらに基づき解答を書くこと」の完成度を高めることができます。
「インプットの段階からアウトプットのことを考えて勉強をする」とは,「内容の要点とは何か」,「要点の説明とは何か」と考えて教材や資料を読むことです。「内容の要点=解答の要点」,「内容の要点の説明=解答の要点の説明(要点の説明)」だからです。
ここで,この具体的な内容について解説します。
「令和4年度・建設部門・道路・専門知識(Ⅱ-1-2)」で以下のような問題が出題されました。
令和3年3月に踏切道改良促進法が改正された社会的背景を述べよ。また,その改正の概要を説明せよ。
国土交通省のウェブサイトに踏切道改良促進法の改正に関して以下のような内容が出ていました。
この内容に対して「背景の要点とは何か」,「要点の説明とは何か」と考えながらこの内容を読みます。
例えば,背景の要点として,「踏切事故が依然として多い」,「災害時には長時間の遮断が発生する」,「激甚災害時などでは道路や鉄道の交通を阻害する事案がある」と読み取ります。
背景の要点の説明として,「踏切事故が約1件/2日のペースで発生している」,「長時間の遮断は救急救命活動の支障になる」,「電柱や倒木が車両の交通を阻害する」と読み取ります。
「内容の要点とは何か」,「要点の説明とは何か」の答え(考えた結果)をノートなどに書き出すとこれらが頭の中に確実にインプットできます。ノートなどに書き出す時間がない場合には,内容の要点と要点の説明と考えた内容(箇所)に蛍光ペンなどで着色する方法でも構いません。
このように,「内容の要点とは何か」,「要点の説明とは何か」と考えて教材や資料を読むことは「メリハリを付けて教材や資料を読むこと」と言い換えることができます。メリハリを付けて読むことで教材や資料の内容が頭の中に残ります。
繰り返しになりますが,インプットの段階からアウトプットのことを考えて勉強をすることで「解答の要点と解答の要点の説明を考え,これらに基づき解答を書くこと」の完成度を高めることができます。
=
すなわち,インプットの段階からアウトプットのことを考えて勉強をすることで「1分で理解できる解答」の完成度が高まります。
【参考図書】
森谷仁著,「マンガでわかる技術文書の書き方」,オーム社,令和4年3月25日