■「会話を通したトレーニング」について(その2)
「『君の書いた技術文書はわかりやすい』と言われる技術文書の書き方(その42)」で,会話を通した日々のオンザジョブトレーニングについて深掘りして解説しました。今回はこの解説の続きです。
前回のブログでは,会話の事例として,「6つのルールと18の書き方」の中での「書き方1(要点を冒頭に書く)」,「書き方13(具体的な文を書く)」および「書き方16(短い文を書く)」の考え方を使いました。
「6つのルールと18の書き方」にはこれらの他にも書き方があります。
会話を通した日々のオンザジョブトレーニングでこの他の書き方が習得できます。また,レベルアップもできます。
具体的には以下のような内容です。
*全体像を冒頭で話す(書き方2)
*根拠を話す(書き方4)
*条件を話す(書き方5)
*箇条書きのように分けて話す(書き方6・書き方7)
*意味が明確になるように話す(書き方14)
*能動態で話す(書き方15)。
*肯定の内容で話す(書き方17)。
また,各書き方の考え方を組み合わせて話すこともできます(前回のブログを参照)。
〇〇地区での液状化発生の可能性の解析まで終わりました。△△を条件とした解析では,液状化が発生する可能性があるとの結果でした。
これは,「書き方1:要点を冒頭に書く」の考え方と「書き方5:条件を書く」の考え方を組み合わせた回答内容です。解析結果を説明するときには解析条件を明確にすることが必要です。このような場合,「書き方1:要点を冒頭に書く」の考え方と「書き方5:条件を書く」の考え方を組み合わせることで会話の内容が明確に伝わります。
技術文書を書くことも会話をすることもどちらもコミュニケーションです。したがって,日々のオンザジョブトレーニングでの「会話を通したトレーニング」が成立します。
日々のオンザジョブトレーニングは,技術文書の書き方に関するトレーニングです。しかし,このトレーニングの中に「会話を通したトレーニング」があることが日々のオンザジョブトレーニングの大きな特徴の一つです。
次回に続きます。
【参考文献】
森谷仁著,「マンガでわかる技術文書の書き方」,オーム社,令和4年3月25日