「上を向いて歩こう」を作詞したことでも有名な永六輔さんが,昨年(2016年)7月7日に亡くなりました。享年83歳でした。
永さんは,多才な方で,タレント,随筆家,作詞家,放送作家として活躍されていました。また,ラジオ番組のパーソナリティーとしても活躍されていました。
永さんがパーソナリティーを務めていた番組の中で,私が時々聞いていたのが「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」でした。土曜日の8時30分から13時まで,関東ではTBSラジオで放送していました。
この番組の中で永さんは時々日本語の美しさを語っていました。その中で私が最も印象に残っている話が「雨に関係する言葉のこと」です。
詳しい話の内容は忘れましたが,「日本語には雨に関係する言葉がたくさんある。その一つ一つに趣がある」というような内容だったと思います。
日本では,そろそろ梅雨のシーズンです。先日,永さんのこの話を思い出し,雨に関係する言葉をネットで調べてみました。
あるのサイトが詳しく「雨に関係する言葉」を紹介していました(こちら)。
会話の中などでよく使う言葉もありますし,初めて出合う言葉もあります。
「小糠雨」,「五月雨」,「小夜時雨」,「秋霖」,「涙雨」,「白雨」,「氷雨」・・・本当に美しい言葉だと思います。
小説家の藤沢周平氏の小説の中に「時雨のあと」,「時雨みち」,「驟り雨」というタイトルの本があります。これらの本のタイトルには「雨に関係する言葉:時雨・驟り雨(驟雨)」が入っています。
雨に関係する言葉を小説のタイトルに入れると,小説の内容に対してやさしさ,寂しさ,悲しさなどを感じます。
藤沢周平氏の話題をもう1つ・・・
藤沢周平氏の書いた小説の中で,「橋ものがたり」というタイトルの本があります。江戸の橋を舞台にした内容の短編を10話集めた本です。藤沢周平氏は好きな小説家の一人ですが,この本は,これまでに読んだ藤沢周平氏の中で最も好きな本です。読んだあとの心地よさが好きです。
この本の中に「小ぬか雨」,「氷雨降る」というタイトルの短編があります。小説のタイトルに雨に関係する言葉(小ぬか雨,氷雨)が入っています。
藤沢周平氏のことを書いていたら,急に,藤沢周平氏の本が読みたくなりました。これまで「橋ものがたり」を何度も読みましたが,今読んでいる本が読み終わったら,また,「橋ものがたり」を読んでみようか・・・。
ところで,「梅雨」も,雨に関係する言葉です。調べてみると,梅雨に関する言葉もいろいろあります。
*走り梅雨
*梅雨晴れ
*梅雨雲
*送り梅雨
日本語は本当に美しいと思います。