“ぼんやりとした内容の文を書く”から“はっきりとした内容の文を書く”へ

2016年11月23日のブログのテーマは「生活の中での数値化」でした(こちら)。

このブログの中で,オムロンの活動量計を購入したことでカロリーの高い食べ物を控えるようになったこと書きました。

活動量計を購入する前までは,「健康のため高カロリーな食べ物を控えましょう」と言われてもこのアドイスが頭の中で“ぼんやり”していました。

「健康のため高カロリーな食べ物を控えましょう」は,具体的な内容のアドバイスではないので,「健康を考えて高カロリーな食べ物を控えよう」という気持ちが出てきませんでした。そのため,高カロリーな食べ物でも特に控えることなく食べていました。

しかし,「この高カロリーな弁当を食べると,この摂取カロリーを消費するためには3時間早歩きをする必要がある」などのようなことがわかると,「この弁当を食べるのを止めよう」という気持ちになりました。

これは,活動カロリーが数値化され,摂取したカロリーを消費するために必要な活動内容がわかったからです。すなわち,数値化によって,“ぼんやり”が“はっきり”したからです。

弊社の「わかりやすい文書の書き方」に関するセミナーや社員研修では,わかりやすい文書を書くための書き方として「6つのルールと17の書き方」を解説しています(こちら)。

17の書き方の中で,「ルール6(内容が明確に伝わる文を書く):書き方13」「具体的な内容の文を書く」です。わかりやすい文を書くうえで非常に重要な書き方です。この書き方は,「“ぼんやりとした内容の文を書く”から“はっきりとした内容の文を書く”」と言い換えることができます。例えば,以下の文を比べてください。

文Ⅰ:昨日東京ドームで開催されたポールマッカートニーのコンサートに極めて多数の観客が集まった。

文Ⅱ:昨日東京ドームで開催されたポールマッカートニーのコンサートに約48,000人の観客が集まった。

文Ⅰを読んだ後,頭の中が“ぼんやり”しています。それに対して文Ⅱを読んだ後,頭の中が“はっきり”しています。“極めて多数の観客(ぼんやり)”“約48,000人の観客(はっきり)”と書いているからです。

“ぼんやりとした内容の文を書く”ではなく“はっきりとした内容の文を書く”,つまり,具体的な内容の文を書いてください。はっきりとした内容の文を書くことで読み手の頭の中で文の内容が形になります。

読み手の立場になって読むことを考えると,「はっきりとした内容の文を書くこと」,つまり,「具体的な内容の文を書くこと」の重要性がわかると思います。

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