今回のブログは,前回のブログ(こちら)の続きです。
例えば,「無電柱化に関して何から勉強したらよいか?」と思ったら試験問題の出題内容を確認してください。
前回のブログで掲載した「建設部門・道路」での平成21年度,平成27年度および平成30年度の問題を再度掲載します。
【平成21年度】
【平成27年度】
【平成30年度】
各年度の問題において解答すべきこと(出題内容)を確認すると無電柱化に関して勉強すべきことがわかります。
例えば,平成21年度の問題を読むと以下のことが解答すべきこと(出題内容)です。
(1)無電柱化の目的と現状
(2)整備を進める際の課題と解決策
(3)重点的に整備を実施すべき箇所とその理由
つまり,無電柱化について勉強する場合には,まず,これらの解答すべきこと(出題内容)を頭の中に入れて勉強すればよいことがわかります。
これらの解答すべきこと(出題内容)が出題されているのは,無電柱化に関してこれらの内容が重要だからです。
もちろん,「これらだけ勉強すればよい」ということではありません。無電柱化に対して,他の年度での問題なども参考にして,これら以外のことについても勉強してください。
また,過去問に基づき勉強するときには,「問題の種類や問題の背景なども考慮して勉強すること」を忘れないでください。
■問題の種類について
「問題の種類を考慮して勉強すること」について,平成27年度と平成30年度の問題の比較で解説します。
平成27年度は,課題解決能力の問題として“無電柱化”が出題されました(Ⅲ-2)。これに対して,平成30年度は,応用能力の問題として“無電柱化”が出題されました(Ⅱ-2-2)。
課題解決能力の問題は,「社会的な変化・技術に関係する最新の状況・・・」という視点で出題されます。これに対して応用能力の問題は,「『選択科目』に関係する業務に関し・・・」という視点で出題されます。
すなわち,課題解決能力の問題は,解答するうえで専門分野の視点だけではなく「多面的な視点」も要求されます。これに対して応用能力の問題は,「業務」という視点が要求されます。
したがって,問題の種類によって解答すべき視点が異なるため,勉強するときにも視点を変えて勉強する必要があります。
注):平成31年度から試験方法が変わりますが,試験方法が変わってもこの重要性は変わりません。
■問題の背景について
「問題の背景を考慮して勉強すること」について無電柱化の問題を例にして解説します。
平成21年度は,「魅力ある世界有数の観光地の形成などの観点から,無電柱化の推進が図られている」というのが無電柱化の背景です。
これに対して,平成30年度は,「近年の災害の激甚化・頻発化,高齢者・障がい者の増加,観光需要の増加等からさらに必要性が増している」というのが無電柱化の背景です。平成30年度は,ここ数年の日本の国内状況が背景となっています。
このように,無電柱化を進めるうえでの背景も出題年度で異なるので,この点も考慮して無電柱化について勉強する必要があります。無電柱化を進めるうえでの背景も考慮したうえで解答を考える必要があるからです。
特に,課題解決能力の問題(平成31年度からは,「問題解決能力及び課題遂行能力」の問題)についての勉強する場合には,問題のキーワード(例えば,“無電柱化”)の背景も頭の中に入れてください。
「過去問の分析に基づき試験問題の出題傾向や出題内容を確認する(その1)~同(その3)」を通して,いろいろなことを書きましたが,「過去問を分析すると,試験問題の出題傾向がわかるとともに出題内容から勉強すべきこともわかる」ということが少し認識できたと思います。
このことから,弊社では“過去問は宝の山”と呼んでいます。
平成30年11月10日(土)に実施するセミナーでは,過去問をキーワードで分類する方法の他に過去問の分析方法の工夫についても解説します(こちら)。
このセミナーに出席していただき,“過去問は宝の山”を実感してください。