先日,文化庁が毎年実施している国語に関する世論調査結果(平成29年度)の概要が発表されました(こちら)。
調査結果の概要の中から数項目をピックアップしてみます。
■国語について,どの程度関心があるか
日常の言葉遣いや話し方,あるいは文章の書き方など,国語について,どの程度関心があるかを尋ねた質問です。
約8割弱の人が関心がある(「非常に関心がある」+「ある程度関心がある」:76.2%)という回答でした。調査の対象とした人の職業は不明ですが,約8割弱という高い数値が出たことは予想外でした。「関心がない」という回答の人の方が多いと思っていました。
技術者の方を対象にして「文章の書き方に関心があるかどうか」を質問したらどの程度の数値が出るでしょうか?
■横書きで文章を書くとき,句読点はどれを使うか
横書きで文章を書くときの句読点の組合せの質問です。
「。」(マル)と「、」(テン)の組合せが最も多く81.3%でした。ちなみに,弊社では,「。」(マル)と「,」(カンマ・コンマ)の組合せです(9.5%)。
この組合せを使っているのは,以前,文章の書き方に関する本で読んだからです(記憶がはっきりしませんが,たぶん本だったと思います)。その本では,横書きの場合には,「。」(マル)と「,」(カンマ・コンマ)の組合せを使い,縦書きの場合には,「。」(マル)と「、」(テン)の組合せを使うように書いてあったと記憶しています。
■句読点等の使い方に関して,何か困っていることがあるか
文章や手紙,メールなどを書くときの句読点等の使い方に関して,何か困っていることがあるか,それとも特に困っていることはないかの質問です。
約8割の人が「困っていることはない」との回答でした。
文を書くとき,句点(。)は文の最後に打ちます。このことは多くの方が認識していると思います。もちろん,文の最後の箇所以外に句点(。)を打つこともありますが,多くの場合「句点(。)は文の最後に打つ」と考えてもかまいません。
また,読点(、や,)は,多くの方が自分の書き方のルールで打っていると思います。
このようなことから,約8割の人が「困っていることはない」との回答だったと思います。
「困っていることがある」と回答した人は,特に,「読点(、や,)をどこに打つか」ということに困っているのかもしれません。
私の場合は,「日本語の作文技術:本田勝一著:朝日文庫」(こちら)に基づいて読点(,)を打っています。しかし,自分の書いた文を読み返すと本田氏の考えを遵守していないことが多いです。頭の中が整理されていないようです。
文化庁の「国語に関する世論調査」の結果は面白いので,また後日,JTAPCOブログで取り上げます。