先日,以下のようなタイトルの社説が産経新聞に掲載されていました。
「話す」土台の国語鍛えよ
この社説は,全国学力テストでの英語の結果を受けた内容です。全国学力テストは,中学3年生を対象にして今年の4月18日に実施されました(小学6年生も対象でした)。
この試験結果から,「『話す』のが苦手で,基本的な文法も身についていない」ということが明らかになったそうです。
この社説の一部を抜粋します。
文章の空欄に接続詞を入れる問では,「but」が正解なのに「because」と答えた生徒が目立った。そもそも,文章を理解する国語力に課題があるのではないか。
コミュニケーションの基礎となるのは,相手の言葉をよく聞き,理解する読解力だ。これを支えるのは国語力である。あらゆる教科につながる知的基盤だ。それは日頃からの読書などを含め培われるものだ。英語早期化を焦り国語力育成が忘れられては困る。
文科省は,英語教育の早期化に舵を切り,来年度からは小学校で英語が教科となるそうです。
確かに,英語を早い時期から勉強することは大事だと思います。今後,日本も世界とのつながりが強くなっていくので世界の中での公用語のような英語が話せることは重要です。
しかし,「英語を早い時期から学ぶこと=英語が話せるようになること」の等号は必ずしも成立しないと思うのですが・・・。
社説では「文章を理解する国語力に課題があるのではないか。・・・・英語早期化を焦り国語力育成が忘れられては困る」と書いています。
社説で書かれているように国語力に課題があるならば,「英語早期化を焦り国語力育成が忘れられては困る」という意見に一票を投じます。
社説で書いているように,コミュニケーションの基礎となるのは,相手の言葉をよく聞き,理解する読解力(国語力)です。さらに,自分の意見をまとめ相手にそれが明確に伝わるように話すには国語力が必要です。話すことだけではなく文章によるコミュニケーションも国語力が必要です。
社会人になったとき,英語が不要な仕事に就いた場合には英語ができなくても仕事をするうえでの支障はありません。しかし,国語力はどのような仕事に就いても必要です。
現在,小学校や中学校でどのような国語教育が行われているのかわかりませんが,小学校や中学生のころから国語力を高める教育が必要だと思います。