2019年7月7日に“大阪商工会議所主催のセミナーについて”というテーマのブログを掲載しました。この中で以下のことを書きました(こちら)。
“中堅・中小企業が先生で大企業が生徒と考えて技術提案書を書く”
この説明を聴いて「これは面白い発想だな」と思いました。
この発想は,「先生が生徒に教えるように技術提案書を書く」という意味です。このように考えると,「技術提案書に書くべきこと」と「書くべきことの書き方」が見えてきます。
ここで,業務報告書を書くことを考えてみます。
業務報告書を書く人が“書き手”です。書き手が書いた業務報告書を読む人が“読み手”です。また,書き手とは“知っている人”,読み手とは“知らない人”です。
読み手(知らない人)は,書き手が書いた業務報告書を読むことで書き手が行った業務の内容(業務の成果)を知ります。つまり,業務報告書とは,「書き手(知っている人)が読み手(知らない人)に業務の内容(業務の成果)を教えてあげるために書くべきもの」と考えることができます。
つまり,文書とは,「書き手(知っている人)が読み手(知らない人)に内容(書き手が読み手に伝えるべき内容)を教えてあげるために書くべきもの」と考えることができます。
“教えてあげる”という発想で文書を書けば,「文書に書くべきこと」と「書くべきことの書き方」が見えてきます。
例えば,業務で解析を行ったとします。“教えてあげる”という発想で業務報告書を書くと,「解析結果を教えてあげる」という考えとともに「解析の条件を教えてあげる」という考えを持ち,業務報告書に解析結果と解析条件(結果と条件)を書きます。また,「教えてあげる」という発想に基づき解析結果と解析条件の書き方を考えます。
“わかりやすい文書の書き方”では,書き方の第1原則で「書き手と読み手の違いを認識する」と定めています。また,書き手と読み手の違いを認識したうえで,読み手の立場に立って文書を書くことでわかりやすい文書を書くことができます。
「“教えてあげる”という発想で文書を書くこと」とは,わかりやすい文書の書き方での第1原則と共通した考え方に基づく,わかりやすい文書(読み手に内容が明確に伝わる文書)を書くための方法です。