6つのルールと17の書き方とは,わかりやすい文書を書くための書き方です。
6つのルールとは,わかりやすい文書(読み手に内容が明確に伝わる文書)を書くうえでの書き方の考え方です。「主要なことを冒頭に書く」,「ペアで書く」,「分けて書く」,「集約して書く」,「視覚的に書く」および「内容が明確に伝わる文を書く」の6つの考え方があります。
17の書き方とは,6つのルールに対する具体的な書き方です。6つのルールは考え方なので,これだけでは,わかりやすい文書(読み手に内容が明確に伝わる文書)を書くことができません。6つのルールに対する具体的な書き方が必要です。それが,17の書き方です。各ルールによって具体的な書き方の数は異なりますが全部で17の書き方があります。
表 「6つのルールと17の書き方」
ルール(考え方) | 書き方と内容 | ||
ルール1 | 主要なことを冒頭に書く | 書き方1 | まず知りたいことを冒頭に書く |
書き方2 | 目的を文書の冒頭に書く | ||
書き方3 | 方針を文書の冒頭に書く | ||
書き方4 | 手順を文書の冒頭に書く | ||
ルール2 | ペアで書く | 書き方5 | 根拠を書く |
書き方6 | 条件を書く | ||
ルール3 | 分けて書く | 書き方7 | かたまりに分けて書く |
書き方8 | 箇条書きで書く | ||
書き方9 | 表で書く | ||
ルール4 | 集約して書く | 書き方10 | 組み合わせて書く |
ルール5 | 視覚的に書く | 書き方11 | 写真や図を入れて書く |
書き方12 | 重要な内容を強調して書く | ||
ルール6 | 内容が明確に伝わる文を書く | 書き方13 | 具体的な内容の文を書く |
書き方14 | 意味が明確な文を書く | ||
書き方15 | 能動態の文を書く | ||
書き方16 | 短い文を書く | ||
書き方17 | 文法を守って書く |
●「書き方9:表で書く」を使って書く
【原文】
【液状化の発生を防ぐ工法の原理】液状化の発生を防ぐ工法の原理として,「土の性質改良」と「応力・変形および間隙水圧に関する条件の改良」があります。
前者としては,「密度を増大させる(締め固める)」,「液状化しない粒度の土に改良したり,混合材を注入したり混ぜたりして固化させる」,「飽和度を低下させる」があります。
後者として,「地下水位低下や盛土載荷により有効応力を増加させる」,「地盤を拘束して地震時に発生する繰返しせん断変形を小さくする」,「発生する過剰間隙水圧を速やかに消散させる」があります。
【書き方9を使って書いた場合】
表 液状化の発生を防ぐ工法の原理
内容 | |
◆土の改良 | ①密度を増大させる(締め固める)。 |
②液状化しない粒度の土に改良したり,混合材を注入したり混ぜたりして固化させる。 | |
③飽和度を低下させる。 | |
◆応力・変形および間隙水圧に関する条件の改良 | ①地下水位低下や盛土載荷により有効応力を増加させる。 |
②地盤を拘束して地震時に発生する繰返しせん断変形を小さくする。 | |
③発生する過剰間隙水圧を速やかに消散させる。 |
●「書き方13:具体的な内容の文を書く」を使って書く
【原文】
○○駅では,今回実施した対策で鉄道利用者の安全性が向上した。
【書き方13を使って書いた場合】
■「技術者のためのわかりやすい文書の書き方(オーム社)」の中で,「6つのルールと17の書き方」について詳しく解説しています。